中央場所での短い福島開催。その2週目のメインは恒例の七夕賞だ。
先週のラジオNIKKEI賞と同じくハンデ戦で、昭和の時代からそうだが、簡単に人気どおり収まらない、波乱含みの一戦として知られており、今年も穏やかに決まりそうにはない。この時期にしては顔ぶれもなかなか。しかも、フルゲート(16頭)になりそうだからだ。
ウインイクシード、エアウィンザー、オセアグレイト、クレッシェンドラヴ、ジナンボー、タガノディアマンテ、マイネルサーパスといったところが人気、有力どころとして挙げられる。だが、伏兵視されている馬も多彩で、とにかく一筋縄で収まりそうにない。
しかも、この梅雨時。一雨くれば様相は一変、どう転ぶか、わかったものではない。
02年に馬単が導入されて以降、これまでの18年間、馬単での万馬券は7回(馬連では6回)。連勝馬券での万馬券は決して多いとは言えないが、1番人気馬は4勝(2着3回)、2番人気馬はわずか1勝(2着3回)のみ。しかも1、2番人気馬でのワンツー決着が一度もなかったことからして、いかに難解な一戦であるかがわかるだろう。
年齢的には、勢いを増している4歳馬よりも充実著しい5歳馬、さらには古豪である6歳馬(過去18年で7勝、2着7回)の活躍が目立っていることに留意すべきだ。
斤量では、ハンデ戦だけに力どおりというわけにはいかないが、56キロ以上を背負う馬がよく連対を果たしている。57キロ馬が過去18年で7勝と最も多く、59キロ馬も勝っている。実績馬を軽く見てはいけない、ということだろう。
今年も悩むところだが、穴党として期待を寄せたいのは、レッドローゼスだ。
このところの成績が冴えず、頭打ちとみられているようで評価は低いが、穴党としては好都合である。
そもそも、ひ弱さがつきまとい、連続して使えない弱点を抱えていた馬で、期待どおりの走りを見せられないでいた。しかしそれでも、徐々にたくましくなってきており、心身のバランスがかみ合ってきたのか、休み明け後の前2走は、着順はともかく、健闘ぶりが目立っていた。
この馬がオクテ、晩成型だったとみれば、ここにきてようやく本格化してきたと捉えられなくもない。
今回は休み明けを使われて3戦目。この中間は稽古の動きが実に軽快で、体調のよさが伝わってくる。1週前の追い切りもリズミカルだった。国枝調教師も、「衰えがないばかりか、ここ何戦かでは最も雰囲気がいい。ここでも力は見劣らないと思う」
と、状態のよさにヤル気のほどをにじませている。
ステイゴールド×ガリレオ×ナシュワンと、血統的にもオクテであることはわかるし、道悪になっても不安はないはず。ハンデは恐らく55~56キロ。福島で1勝をあげているように相性はよく、チャンスは十分あるとにらんでいる。
逆転候補に挙げたいのはリュヌルージュだ。
中山牝馬S(14番人気で2着)の時も重い印を打ったが、とにかく懸命に走るタイプ。前走のマーメイドS(3着)は、やや重め残りで復調一歩手前。それでも最後までよく頑張っていた。
その前走が53キロだったことを思うと、牡馬混合となる今回は51~52キロ。器用で先行力があり、小回り福島は大歓迎。引き続き状態はよく、晴雨にかかわらず一発があっていい。