本来なら海開きや山登りで観光地がにぎわう季節だが、今年はコロナ禍によりオープンな場所への移動は、自粛を余儀なくされる。では、せめて女優たちが家を離れて「男女の営み」を重ねた軌跡を巡ってみたい。
国民的女優の吉永小百合は、結婚後の75年に「青春の門」(東宝)で、初めてと言える汚れ役に挑んだ。働いていた炭坑内の事故で閉じ込められ、疲れ果てて眠っているところに老いた炭鉱夫が近寄り、懇願する。
「恵んでやってください、後生ですから」
吉永のもんぺに手をかけ、水がしたたり落ちる坑内での珍しい営みになだれ込んだ。
宝塚出身の天海祐希は、生涯で唯一とも呼べる情愛シーンが、何と「洞窟の中」だった。01年公開の「狗神」(角川映画)での1コマだ。天海はどしゃ降りの雨の中、渡部篤郎とともに洞窟で雨宿りをする。実は天海が高校時代、同じ場所で初めての経験をしたことがあった。その思い出を重ね、渡部と何度となく体を入れ替えながら、声を高めてゆく。
近年の映画では、あの広瀬すずが17歳で挑んだ「怒り」(16年、東宝)が衝撃的だった。
〈オーディションを受けて自分でやりたいと言ったけど、多少後悔しました〉
撮影直後、自身のブログに偽らざる心境を綴っている。沖縄に住む女子高生が、見ず知らずの米兵2人に襲撃されるという役だったが、広瀬は女優生命の分岐点としてこれを乗り越えた。
7月14日発売の「週刊アサヒ芸能」7月23日号では、他にも松坂慶子、石田えり、川島なお美、麻生久美子らのオープンな場面を網羅している。