札幌記念が今週のメインだ。芝2000メートルのGII戦で、北海道シリーズの要の重賞であり、いずれGIへ昇格すべきという声も出るほど、毎年のように好メンバーがそろう。
今年はノームコア(ヴィクトリアM)、ラッキーライラック(大阪杯などGI3勝)の両牝馬が主役だろうか。牡馬ではマカヒキ(ダービー)、ペルシアンナイト(マイルCS)だが、活躍していた当時の輝きがない。
定量戦であり、大きく荒れることは少ない。02年に馬単が導入されて以降、これまでの18年間、その馬単での万馬券は4回(馬連も4回)。この間、1番人気馬が3勝(2着8回)、2番人気馬は5勝(2着0回)。1、2番人気馬のワンツー決着は4回。上位人気馬がよく連に絡む重賞で、まずは本命党向きの重賞と言ってよさそうだ。
4、5歳勢がよく連絡みしているが、これは他の重賞と大差はない。ただ、出走頭数が少ないわりに、牝馬の健闘が目立っている。過去18年でテイエムオーシャン(02年)、ファインモーション(04年)、ヘヴンリーロマンス(05年)、フサイチパンドラ(07年)、フミノイマージン(12年)、ハープスター(14年)と、6頭も勝ち馬が出ている。であれば、なおさら前述した主役2頭のチャンスが大きくなるだろうか。
しかし、あえて牡馬に期待してみたい。狙いはブラックホールだ。
3歳馬であり、いきなり古馬相手に荷が重そうにみえるが、ここを目標にしっかりと調整されており、力を出せる状態にある。53キロで戦える強みがあり、実績のある洋芝での競馬なら互角に渡り合えるはずだ。
1週前の追い切りも軽快かつリズミカル。仕上がりのよさを示していた。「春と比べてそう大きく変わってはいないが、とにかく順調。札幌は相性がいいし、斤量差を考えれば恥ずかしい競馬にはならないと思う」
相沢調教師は控えめながらも、こうヤル気のほどをにじませる。確かに函館で未勝利戦を勝ち上がり、続くGIII札幌2歳Sを制したように、力を要す洋芝での競馬は得意。晴雨にかかわらず期待を寄せたい。
もう1頭、注目したいのはイェッツトだ。まだ3勝クラスで自己条件とのダブル登録だが、陣営の出走意欲は十分。こちらも新馬戦を勝ち上がったあと、いきなり重賞(京成杯3着)に挑戦、差のない競馬に持ち込んだほどの素質馬だ。
その後はひ弱さが抜けきれずにきているが、それでも以前と比べてたくましくなっており、断じて軽くみてもらいたくない。
休み明けを一度使われてこの中間は大幅な良化ぶりをみせており、1週前の追い切りも上々だった。
「右回り、洋芝は合うと思う」とは金成調教師の弁だが、当方もそうみている。
女傑ヒシアマゾン(阪神3歳牝馬S、エリザベス女王杯)、スリープレスナイト(スプリンターズS)が近親にいる良血。一発があっていい。
西の北九州記念は、プリディカメントをイチオシしたい。
休み明けを二度使われて、この中間、大幅な良化ぶりをみせている。小倉は初めてになるが、強烈な末脚が身上の6ハロン戦のスペシャリスト。平坦の芝コースは持ってこいと思われる。
ハンデは恐らく前走と同じ54キロか53キロ。牝馬の活躍が目立つ重賞でもあり、であれば、やれていいはずだ。
コートマスターピース(GIフォレ賞、GIサセックスS)など近親に活躍馬が多くいる良血。良馬場なら、頭から狙い打ちといきたい。