元衆院議員の宮崎謙介氏が足掛け5年の議員生活の経験をもとに、政治家ウオッチングやオフレコ話、政治にまつわる話を適度な塩梅で、わかりやすく「濃口政治評論家」として直言!
森高千里さんって、いくつになっても変わらないですよね。
先日、国政に参戦すると報じられた「千里」は、そっちではなくて「森下」。そして、このニュースで話題になったのが森高さん。字面を見て間違える人が多かったのでついトレンド入りした森高さんが、女子人気の高い人だと知りました。
という話ではなく。元グラビアタレントの森下千里さんが次期衆院選で自民党宮城5区の公認候補に、という報道。この原稿の締め切り後、連載が掲載される前には既に会見を開いているはずですが‥‥。
でも、いったいなぜ彼女が? 引き続き世を狂わせるコロナ禍で、国民の安全のために動かないといけない今、こういった動きが自民党に出ることが違和感だ、という声が届きました。
そもそも彼女が出馬しようとしている宮城5区は、自民党にとってはツラすぎる選挙区なんですよ。なんといっても、立憲民主党の安住淳国対委員長が強い。自民党のかっちゃんこと、勝沼栄明氏だってなかなか苦戦していたとよく聞かされました(僕は議員時代から、かっちゃんとは仲良しなんです)。かっちゃんもこないだの選挙では落選、比例復活もできなかったという悲劇がありました。
今回、かっちゃんが任期満了に伴う石巻市長選への立候補を表明。そうなると衆院選に出馬するのは、通例では県議会議員や市議会議員さんなのですが、誰も手を挙げないみたいなんです。東日本大震災による人口比率の低下により、一票の格差が生まれている地域、ということも躊躇させる原因ですが、それだけ安住さんが盤石だということ。どんな立派な戦略を掲げて戦ったところで、負け戦の匂いがプンプンです。
かといって、畑違いだから立派な野菜は育たないとは限りません。それも元グラビアタレントだから政治なんて無理だろう、と考えるのもナンセンスです。
現役の自民党議員から聞いた話では、どうやら若手の参議院議員が彼女を引っ張ってきて上層部に紹介したところ、
「彼女、政治家に向いているんじゃない」
となった、と。
これまた、突如現れたオヤジ殺しのパンダを囲って密室の決めごとなのがモヤッとしますが、太鼓判を押された事実はあったようです。森喜朗氏が総理に決まった「5人組の密室談合」と似たようなものですが。
一方、芸能関係者から聞いた話では、森下さんはパリピでゴルフ好き。内面はナイーブな性格なんだとか。仮に当選したとしても、今のままでは魑魅魍魎の政界で生きていけるのやら。森氏の発言で世の中的に女性の社会進出への期待が高まりましたが、それってこういうことなんでしょうか。
そもそも報道された時に「こんな志を持ってやります! 政策は○○」と発表しないと、信念がわからない。この報道を受け、「一部報道がありますが、私からお話しできることはまだありません」として、3月14日にもろもろ発表すると答えた彼女は結局、お飾りにしか見えません。
と感じつつ、彼女が「オバサン」になったら、よもやもよもやで女子人気も高まり、すごい政治家になっているかもしれないので、これ以上は口を噤んでおきます。
宮崎謙介(みやざき・けんすけ):1981年生まれ、東京出身。早稲田大学を卒業後、日本生命などを経て、12年に衆議院議員に。16年に辞職し、経営コンサルタントや「サンデー・ジャポン」(TBS系)などに出演。「バラいろダンディ」(TOKYO MX)ではレギュラーMCを務める。