【「西武園記念」ヤマケンが注目する「決勝戦進出」有力候補12人】
◎平原康多/○守澤太志/▲高橋晋也/△取鳥雄吾/和田健太郎/村上義弘/大槻寛徳/稲垣裕之/渡邉一成/宿口陽一/森田優弥/園田匠
落車した翌日も欠場せずに走る選手は、大いにたたえられるべきだ。
400走路とはいえ直線が短く、33バンクに近い「西武園記念」(4月15日【木】~18日【日】)には、新旧のスピード自慢がそろう。主役は好調なSS班だが、展開しだいで波乱の決着もあるシリーズになりそうだ。平原康多が断然の本命。前走の四日市記念は惜敗2着も、埼京地区での強さは並ぶ者はいない。10月京王閣から1月の立川、大宮と記念3連勝。地元ラインの2段ロケット、森田優弥─宿口陽一を利して、埼京全4場の記念を制覇する。ちなみに今年の森田は、FI戦とはいえ、前走の大宮(【1】【1】【1】)を含めて早くもV3を飾っている。ペース配分が巧みになり、よく逃げ切りを決めている。ここは4日間、バックを取り切ってほしい。
そして対抗は守澤太志。地元勢と先行バトルを演じる北日本の高橋晋也─渡邉一成の後位から、平原との直線勝負になりそう。あとは高橋の押し切りと、乗れている取鳥雄吾のまくり一撃なら高配当だ。和田健太郎は松阪ウィナーズCで2日目に落車し、予選敗退が決まりながら最終日まで走り抜いた。南関は手薄だが、その強靱な肉体と精神力で決勝戦に登場してくるはずだ。
伏兵の一人目は地元の黒沢征治(埼玉・113期)。同県同期の有力候補、森田に差をつけられたのは勝ちを意識してまくり頼りになったから。ただし、3月広島記念(【2】【2】【3】【6】)の初日と準決勝は、ホームから踏み込み粘っていた。あれが黒沢本来の姿。予選をクリアできれば、もう一丁ある。二十歳の若武者、町田太我(広島・117期)が春の大嵐を吹かせる。昨年11月に特昇してすでにV2。記念でも2場所続けて決勝戦に乗っている。何がなんでも逃げる積極性が小気味いい。勝ち上がるようなら、西日本勢の士気は一気に高まることになりそうだ。
追い込み一手で目立たないものの、久米良(徳島・96期)が健闘している。2月松戸【4】【1】【2】と3月小田原【1】【3】【2】の決勝戦では、勝った森田に食い下がっていた。直近成績の1着8回、2着5回が光り、初日は頭から流したい。
山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。