【「前橋記念」ヤマケンが注目する「決勝戦進出」有力候補12人】
◎清水裕友/○平原康多/▲渡邉一成/△太田竜馬/和田健太郎/小倉竜二/渡部哲男/東口善朋/山崎芳仁/山田英明/木暮安由/竹内雄作
勢いに乗れば、手がつけられなくなるのが若手の機動型だ。ナイター開催の「前橋記念」(5月20日【木】~23日【日】)は、GI寛仁親王牌の準常設バンクでもあるため、15年以来、実に6年ぶりの記念開催。ダービーのファイナリスト2人が東西の横綱だが、無風の33走路で機動型が一発を狙い、高配当決着があってもおかしくないシリーズになりそうだ。
本命は清水裕友。ダービーでは【2】【5】【3】【7】と未勝利だったが、逃げた決勝戦まで連日よく動いていた。中四国で小倉竜二─渡部哲男がガードする鉄壁ライン。先行とまくりの両様に構えて頂点に立つ。対抗は平原康多。6着に終わったダービー決勝戦は展開が向かず、初日の落車(ゴール後)も影響した。自力に不安はあるものの、位置取りのうまさで逆転も。
そしてドームが得意な渡邉一成が三番手評価。ダービーの準決勝4着は、前で落車がなければ、と思わせる鋭い脚だった。もし山崎芳仁や成田和也が勝ち上がれば、オールドファンには懐かしい福島88期トリオになる。37歳になるがスピードに衰えはない。久々の快走劇があるのではないか。あとはダービー(【6】【1】【1】【1】)で好走した太田竜馬の一撃を警戒したい。
伏兵の1人目は、快進撃が続くホームの佐々木悠葵(群馬・115期)だ。特昇してまだ半年足らずだが、すでに完全優勝2回、GIIIの決勝戦にも乗っている。それもスピード任せではない自在脚があるあたりは、並の新人ではない。
佐々木と同県で1年先輩の小林泰正(113期)は、7月に1班復帰が決まっている。ダービー(【3】【7】【4】【9】)は未勝利だったが、1次予選は突破した。2月立川【1】【1】【1】、続く松阪ウィナーズC(【1】【6】【7】【1】)で2勝をあげたように調子は戻ってきている。この2人が活躍すれば、地元勢の士気は一気に高まることになる。
劣勢の九州では瓜生崇智(熊本・109期)の奮戦ぶりが光る。S級3場所目だった2月高松記念(【3】【4】【1】【6】)の準決勝では、3連単6万円オーバーの立役者になった。落車と失格も経験した勝負に執着するファイターなら、いきなりの大駆けが期待できる。
山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。