2月9日に投開票が行われる東京都知事選挙。1月7日に出馬表明したのは、あの田母神俊雄元航空幕僚長だ。軍事のスペシャリストと行政トップの違いはあれど、リーダーとして5万人もの隊員を指揮してきた実績は証明済み。都の行方を憂う志士がその意気込みを語った。
突然の都知事選出馬に驚かれた方も多いでしょう。しかし、今回の出馬は私が熟慮を重ねた結果、決めたことです。
昨年末に2020年の東京五輪が決定し、ようやく都民が一つにまとまろうとしているやさきに、猪瀬直樹前知事が「5000万円の借用問題」によって辞任を余儀なくされました。その際、周囲の人々から「五輪を控えた東京にとって最適な知事になれる」と勧められたことが、出馬を決意するに至る大きな契機となりました。
東京都知事になるということは、これまでまったく考えたことはありません。しかし、08年に航空幕僚長の職を解かれて以降、私が在野の立場から一貫してさまざまな意見を述べてきたのは、全て「強い日本を作る」ためでした。
そして今、日本は安倍総理が「日本を取り戻す」を掲げて各種施策を推し進めています。私はこのタイミングを東京都にとってチャンスと捉えています。政府と歩調を合わせて、日本の首都・東京のすばらしさを発信していく。そうすれば、国際的なプレゼンスも高くなることでしょう。東京都を起点として、日本を強くするという政策を掲げて出馬することにしたのです。
1月23日に告示され、2月9日の投開票を控えた東京都知事選。水面下で出馬を巡る駆け引きが繰り広げられる中、今月7日に出馬を表明。これまで再三にわたる国政への出馬要請を固辞してきた田母神氏が、あえてこのタイミングで決意したことに、賛同人の石原慎太郎元都知事は「特攻隊」とエールを送った。
私は都知事選の選挙公約に、6年後の五輪に向けて「東京を強く、たくましく、優しい街にする」ことを掲げました。そのためにはまず、首都直下型地震が高い確率で予測されているので大規模震災から東京を守らなければなりません。この方針に基づき「東京強靭化プロジェクト」を立ち上げ、実行することが最も早急にすべきことだと思います。
国土交通省は、30年以内に東京で直下型地震が起こる可能性を70%、東京五輪までの6年間に区切ったとしても30%としています。被害想定も首都直下型地震による死者数約1万1000人、経済被害を約112兆円と想定しており、甚大な被害が予想されます。
このような予測が出ている以上、東京を災害に強い街にしなければなりません。具体的には老朽化した道路や橋、耐震性が不足している学校などの公共施設を全て改修、建て替えなどを行うことが必要です。そして大震災が起こった際の被害復旧、あるいは被害を小さくするためのさまざまな対応策を強化しておかなければなりません。
◆アサヒ芸能1/14発売(1/23号)より