厳寒期も峠を越え、ようやく春めいてきているが、まだまだ寒い今日この頃。競馬はコロナ禍に屈せず、滞ることなく開催され続けている。
特にファンの熱いまなざしを浴びるようになっているのは、明け3歳馬による戦いだ。オープンを問わず別定戦ともなれば、クラシック戦線に躍り出るスター候補がいるわけで、まさにファンの視線は釘づけとなる。
そんな注目すべき戦い、共同通信杯(芝1800メートル)が今週、東京競馬場のメインとして行われる。毎年、大物と評判になり、注目度の高い馬が顔をそろえるが、今年は例年以上に粒ぞろい。見応えある熱戦が展開されそうだ。
当方の各馬の値踏みも高く、ここで勝ち負けする馬は、皐月賞、ダービーで上位争いを演じるとニラんでいる。
昨年の覇者エフフォーリアは、ご存じのとおり皐月賞、天皇賞・秋、有馬記念を制し、年度代表馬となったが、2010年以降、ここを勝ってのちにGI馬に輝いたのは、12年ゴールドシップ、14年イスラボニータ、15年リアルスティール、16年ディーマジェスティ、17年スワーヴリチャード、19年ダノンキングリー。これらの面々を見てもわかるように、今後を占ううえでも重要な一戦と位置づけていいだろう。
今年は朝日杯FS3、5着馬のダノンスコーピオンとジオグリフがいちおう最有力候補とみられているが、その他の馬も評価が高く、どういう結果になるのか予断は許さない。
まずは過去のデータを見てみよう。03年に馬単が導入されて以降、これまでの19年間、その馬単による万馬券は4回(馬連0回)。この間、1番人気馬は4勝(2着5回)、2番人気馬は3勝(2着3回)。1、2番人気馬によるワンツー決着は3回。比較的堅く収まっているようにも思えるが、少々波乱含みの重賞とみてよさそうだ。
であれば、比較的評価の低い伏兵視されている馬が、ダノンスコーピオンやジオグリフといった人気勢の足をすくうシーンがあっても不思議はない。
最も期待を寄せたいのはアバンチュリエである。
新馬戦を快勝したあとの前2走が3、4着だったので、今回の評価はイマイチ。だからこそ目をつけたわけではないが、力は確かとニラんでおり、巻き返しは十分可能だ。
前々走のベゴニア賞(1勝クラス)は、5カ月ぶりの実戦だったにもかかわらず、勝ち馬とコンマ1秒という差のない競馬。その反動だったのだろう、前走のジュニアCはレース前から落ち着きを欠き、ゲートの入りも悪く、後方からの競馬。脚を使ったのは直線のみで、参考外とみたい。
この中間はいたって順調。落ち着きがあって、いい雰囲気にある。1週前の追い切りの動きも軽快かつリズミカルだった。
血統もいい。近親、一族にシゲルピンクダイヤ(桜花賞2着、秋華賞3着)、GI2勝のグレイスワロー(愛ダービー、タタソールズゴールドC)など活躍馬が多数いる血筋で、サンデーサイレンスの4×3(奇跡の血量)の近親配合馬であることも魅力だ。
デビュー戦(東京芝1600メートル)を快勝したように、広くて直線の長い東京コースは合っている。ここは得意な舞台での変わり身が見込めるだけに、買わない手はない。