第1回東京競馬の締めとして行われるのがフェブラリーS。年明け最初のGI戦である。
ダート界の層の厚さを象徴するかのように、今年もフルゲート(16頭)必至。古豪、新顔ないまぜ、顔ぶれはとにかく多彩だ。
アルクトス、インティ、カフェファラオ、ケイティブレイブ、サンライズノヴァ、ソダシ、タイムフライヤー、テオレーマ、さらにミューチャリー、レッドルゼルと、GIを制している力量馬がズラリと居並ぶ。
それ以外にも活躍を見込まれている馬は多く、見応えはまさに満点と言ってよさそうだ。
まずはデータをひもといてみよう。03年に馬単が導入されて以降、これまでの19年間、その馬単での万馬券は5回(馬連は4回)。この間、1番人気馬は11勝(2着2回)、2番人気馬は2勝(2着4回)。1、2番人気馬によるワンツー決着は3回。
大きく荒れることもあるが、それ以外は1、2番人気馬のいずれかが連対を果たすことが多く、比較的順当に収まるGI戦とみてよさそうだ。
ダート競馬は芝のそれと違って活躍期間が長く、年長馬の頑張りが目立つが、それでも明け4歳馬、充実著しい5歳馬がよく連対している。過去19年で4歳馬が8勝(2着5回)、5歳馬の7勝(2着5回)は他の世代を圧倒しており、いくらGI勝ち馬が顔をそろえているとはいえ、生きのいいノビシロのある馬から目を離してはいけない、ということだ。
また、本来であれば1番人気を分け合うはずだったテーオーケインズとマルシュロレーヌの両雄が海外遠征で不在。
まさに混戦模様のGI戦と言ってよく、迷うところだが、穴党として最も期待を寄せてみたいのは、ソリストサンダーである。
前走の前哨戦、根岸Sは9着と人気を裏切る結果だったが、2カ月ぶりの実戦で、少し重め残りの仕上がりだった。本来の切れが見られなかったのは、そのためだろう。
しかし、大きく負けたわけではなく、勝ち馬テイエムサウスダンとの差はコンマ7秒。巻き返しは大いに可能とみていい。
実際、この中間は順調そのもの。1週前の追い切りも軽快かつリズミカルで、仕上がり状態のよさは明らかである。
厩舎スタッフも「使われて雰囲気がよくなっている。走る気十分で、このぶんなら変わり身を期待してよさそう」と、口をそろえるほどだ。
しかも昨秋、今回と同じ舞台の武蔵野Sを制しており、走れる条件がそろったここは、好勝負必至とみていいのではないか。
一族にコマンダーインチーフ(英・愛ダービー)、ウォーニング(サセックスSなどGI2勝)がいる血筋。7歳馬だが年齢的な衰えは全く感じられないばかりか、奥手なのだろう、ここにきてグングンと力をつけてきた印象すらある。
勝負師・戸崎騎手とのコンビも魅力で、勝ち負けになっていい。
逆転候補としてあげたいのは、サンライズホープだ。暮れのチャンピオンズCでは15着に大敗したが、この時は前走比プラス14キロと大幅な体重増で重め残りの状態。パドックから落ち着きを欠いており、まずは参考外とみていい。
続く前走の東海Sは、終始2~3番手につける積極的なレースで、見せ場たっぷりの4着と頑張った。
この中間はさらに良化気配にあり、1週前の追い切りも文句なし。充実の5歳馬で母系は北米の一流血脈。展開しだいでチャンスは十分ある。