巨人で活躍した元プロ野球選手・定岡正二氏は、1974年ドラフト1位で巨人入団。74年と言えば、このシーズンを限りに、「ミスター」こと長嶋茂雄氏が現役を退き、翌75年より第1次政権として監督に就任している。長嶋氏にとって監督初のドラフト1位選手が定岡氏だったわけだ。
この、長嶋・定岡の両氏の名前をYouTubeで検索すると、上位に挙がる動画がある。それは、とあるテレビの取材に応じた、長嶋監督と当時18歳のルーキー・定岡氏のペアショット&トークなのだが、その後、スポーツバラエティ番組「プロ野球珍プレー・好プレー大賞」(フジテレビ系)で何度か披露されたこともある爆笑必至の内容なのである。
一部を紹介すると、宮崎県のとある川沿いの土手に両氏が座り、長嶋氏が定岡氏に一方的にしゃべりまくる。
「今度おい定岡、あれだろう…ツメエリから、今度あれだな、おい洋服着るんだなあ。初めてか?洋服着るの?いいか、嬉しいか、洋服着て?洋服どんなやつ?ブレザー?ブレザーのやつ?ふ~ん…」
問われている内容が今一つ要領を得ない表情の定岡氏は、ほぼ無言でうなずくだけ…。
この伝説の爆笑動画について、〈巨人三本柱〉として活躍した槙原寛己氏のYouTubeチャンネル〈ミスターパーフェクト槙原〉の3月12日付け投稿回に定岡氏が出演した際に語っている。
前述の長嶋監督の言葉に、「緊張してるから、何言ってるかわからなくってさ…」と回顧した定岡氏。定岡氏も洋服を着て臨んだ取材なのに、「(自分の着ている)これが洋服ではないのか?」といった疑念が頭を渦巻いていたようだ。
もっとも、洋服は西洋服の略で、和服が主流だった日本人にとって、古くはスーツを指していただろう。学生時代のツメエリから、社会人となってスーツを初めて着る…と解釈すれば辻褄が合うが、読者諸兄はいかが思われるだろうか?
(ユーチューブライター・所ひで)