韓国が日本を挑発して溜飲を下げる姿勢は、もちろん自国の「五輪報道」でも続いた。それはもう、想像どおりだ。一方、負けず劣らず日本勢の活躍を台なしにするかのように、なんと日本国内でもフジテレビがせっせと選手の足を引っ張っていたのである。
ソチ五輪の開幕前、女子フィギュアにおける、浅田真央(23)とキム・ヨナ(23)の“ライバル物語”に注目が集まるのは自然な流れだった。韓国事情に詳しいジャーナリストが言う。
「戦う前から『キム・ヨナの独壇場の活躍によって浅田は事実上、ライバルにはならない』などと伝えられてきましたが、そうした報道は特定のメディアだけではなく、多くのテレビや新聞上で見受けられました。ソチで練習するキム・ヨナの姿を見て『日本のマスコミはアゼンとしていた』などと圧倒する様子ばかりを強調する内容でした」
2月9日(日本時間10日以下同)には、フィギュア団体戦を韓国の公共放送局KBSが生中継していたのだが、浅田が転倒してしまったシーンでアナウンサーと解説者はこんな言葉を吐いたというのだ。
「浅田はもはやキム・ヨナの敵ではない。キム・ヨナのジャンプの高さや美しさは浅田とは比べ物にならない。成熟した魅力的な女性と女子学生ほどの開きがある」
逆に、ソチ五輪を熱心にテレビ観戦するライターの張本茂雄氏は、これを嘲笑する。
「ツイッターで『浅田真央は早くエッチしなきゃ勝てない』とつぶやいた、ラサール石井ぐらい根拠のない解説にあきれますね」
そんな韓国の“願い”にも似た怨念が通じたのか、19日に行われた女子シングルSPでキム・ヨナは1位となり、16位の浅田と大きく差をつけた。しかし、翌日のFSでロシアのソトニコワ(17)に逆転されて金メダルを逃すと、朝鮮日報は直接的に、〈最後は納得しがたい「開催国のメリット」を持つソトニコワに阻まれてしまった〉とゴネる始末である。
同紙は、〈韓国ネット民の不満爆発〉というタイトルの記事も掲載し、初日に行われた〈SPの結果をめぐり「お膳立て説」が浮上している〉などと書きたてた。
記事は韓国ネットユーザーの分析を紹介する形で、転倒して5位に終わったロシアのリプニツカヤ(15)を〈「用意されたお膳を蹴飛ばした」と表現した〉とし、ソトニコワについては、〈「(リプニツカヤ選手が)蹴飛ばしたお膳を拾って食べた」と皮肉った〉などと、あくまで“客観性”を装って揶揄するのだ。
案の定、〈最悪の演技で16位となった浅田選手に対しては「これ以上用意するお膳はない」と冷たくあしらった〉と、ネット民の言葉を借りて罵倒したのだった。
過剰反応といえば、13日には、女子ショートトラックで金メダルの可能性もあった韓国選手が英国選手に巻き込まれ転倒し、銅メダルに終わるハプニングが発生したのだが‥‥。
「とたんに、英国選手の『フェイスブック』に韓国人から非難が殺到しました。殺人予告とも取れる内容まで含まれていたという過激さでした」(スポーツ紙デスク)
ところで、フィギュア男子シングルで、羽生結弦(19)が金メダルを獲得した際の韓国メディアの対応には開いた口がふさがらなかった。
「羽生が金を獲ったというのに、韓国では朝鮮日報が〈フィギュアの錬金術師、ヨナに続き羽生も金〉の見出しで報じたのが象徴的で、どこも本人よりキム・ヨナの元コーチ・オーサー氏の手腕を称賛していました。同紙では、日本でもオーサー氏の人気が急上昇していると‥‥。普通に羽生を評価すればいいのに、羽生を“日本版キム・ヨナ”と呼ぶメディアまでいくつか出るほどです」(スポーツライター)
まるで「羽生は韓国製」と言わんばかりだが、そもそもオーサーコーチだって韓国人ではないのに‥‥。