かつて人気を博した毒舌司会者もまた、意地とプライドを賭けたバトルを繰り広げてきた。今や伝説となったエピソードの数々を以下。
現在進行形で最も過激な司会者として、賛否両論だったのが「バイキングMORE」(フジテレビ系)の司会を務めていた坂上忍(54)だろう。惜しまれて4月1日に終了したが、芸能記者によれば、
「元々、12年頃から毒舌キャラで再ブレイクした坂上さんは『自分は情報番組では外様』という意識が強く、それゆえに、どこまでもヒールに徹して番組を仕切っていた。番組が約9年間続いたのは、良くも悪くも正義感を振りかざし、正論を吐くことをモットーとしていたから。それゆえ視聴者から番組へのクレームも多かったことで、ソフト路線に切り替えたのが番組終了の理由」
中でも坂上の激高ぶりが大きな騒動となったのが、「行列のできる法律相談所」のパネラーとしてもお馴染みの北村晴男弁護士(66)とのバトルだった。
20年から出演していた北村弁護士は、21年1月8日の放送で、新型コロナウイルスを巡り、分科会の会長を務めていた尾身茂会長を擁護。
「あまり非難するのは正直、やめていただきたい。尾身さんは専門家の立場で必死になって、緊急事態宣言をなかなか発しない政府に働きかけていた」
すると、緊急事態宣言が発令されたばかりとあって、坂上がエキサイト。
「北村さんが尾身さんにどんな思い入れがあるのか知らないけど‥‥」
と捨て台詞を吐く事態に。その後、ネットを中心に炎上したものの「あくまで番組上の演出」(芸能記者)ということで、ひとまず沙汰止みになった。ところが、2月に入り様相が一変。
「坂上さんと北村弁護士の議論がことごとく、ギクシャクして番組内で問題になったようです。コロナ禍での東京五輪の開催について、推進派の北村弁護士は『100%やるべきだと思っています』と主張。さらに『選手への申し訳なさやリスペクトが足りない』と発言。これに坂上さんが『乱暴すぎる』と反論すると、『どれだけ人生かけて彼らがやってきたと思ってるんですか?』と北村弁護士が語気を荒らげるなど平行線が続いた。その2週後にも動物愛護を巡って衝突。この動物愛護に一家言ある坂上さんの琴線に触れてしまい、そのまま降板になったようです」(芸能記者)
その後、清原博弁護士とのブチ切れ討論がたびたび炎上したが、
「北村弁護士の件もあって、事前にある程度激しい応酬があるのは織り込み済みだったようです」(制作会社スタッフ)
さすがの百戦錬磨の坂上も、本職の弁護士には苦手意識が出てしまったようだ。
関西に目を移せば、今や語り草となっているのが、14年に亡くなったやしきたかじん(享年64)だろう。豪快な酒やカネをめぐるエピソードは数知れず。そうした中で、落語界の重鎮、立川談志(享年75)とのバトルはあまりにも有名だ。かつて、たかじんが進行役をしていた「たかじんnoば~」(読売テレビ)でのこと。番組はゲストとたかじんがバーのカウンターで酒を酌み交わすという内容だったが、談志は現場で泥酔。話題のテーマは司会論についてだったが、アルコールも進んで下ネタになったところ、たかじんの一方的なトークに。鼻白んだ談志がぼそりと「品のない番組だねえ」と漏らしたことで、たかじんが激高し始めた。
「怒りが収まらないたかじんさんが、挙句に、その場にあった灰皿を談志さんの頭めがけて投げつけたほどだった。それでも怒りは収まらなくて、『こらぁ! 表に出んかい』と罵ったほどだった。結局は収録は中止となりお蔵入りしましたが、この収録を機に、キャスティングは気心知れた在阪のメンバーが中心になったそうです」(在阪テレビスタッフ)