女優が下積み時代に水着グラビアを飾るのは珍しいことではないが、中でも世の男たちに鮮烈な印象を与えたのは、吉岡里帆(29)ではないだろうか。アダルトメディア研究家の安田理央氏も「豊満バスト史に欠かせない重要なひとり」と唸るのだった。
安田氏が吉岡を初めて見かけたのは、とある雑誌グラビアだった。黒髪ボブで猫のような瞳に薄い唇の口角を上げ、スレンダーなデコルテから艶かしくふたつの膨らみが隆起する。誌面越しにも「ぽよよん」と音が鳴りそうなほど柔らかで、ビキニから乳房の3分の2以上の素肌を覗かせる。しなやかに締まったくびれも、推定Fカップと言われる豊満な乳房を強調していた。
「いいなあ、と正直に思いました。数年後、僕はNHK朝ドラのファンなものですから、いつものように『あさが来た』(15年)を見ていると、主人公の親友役の子に目が止まりました。真面目で男が苦手そうな、性の匂いを一切感じさせないメガネっ娘。名前は吉岡里帆‥‥え!? あのグラビアの子と同一人物!? この子の服の下に、あのおっぱいがあるの!? と、すぐに気づけないほどのギャップで、衝撃を抱かずにはいられませんでした」
学生時代から芝居の世界を志し、小劇場や自主制作映画にも出演するなど根っからの俳優志望だった吉岡が初めて脱いだのは、14年。週刊プレイボーイのグラビアで小さなビキニ姿になった。それから16年まで6本のデジタル写真集を発売したほか、アイドル誌「BOMB」でも15年に扇情的なグラビアを残している。
特に、頼りない極細紐でかなり薄手の薄ピンク三角ビキニを着て、重力のまま生々しいおっぱいの形をあらわにした銭湯でのグラビアは、ブレイク後に“お宝”として発掘され、多くの男たちが重宝した。
すると17年、吉岡は「週刊プレイボーイ」のインタビューで、「水着グラビアをやりたくなかったですよね」と問われ、こう明かしたのだ。
「はい。撮影のお話をいただいた時、『絶対、私にはできない』ってマネージャーさんとの電話で号泣しちゃいました」
「僕もブレイク前後にインタビューをしていますが、グラビアの話を振ると複雑な表情になり、『不本意だったのかな』と感じました。ですが、グラビア自体いやらしく撮っていないんですよ。例えば綾瀬はるかさんは下積み時代に露わなグラビアをやっていましたが、吉岡さんは写真から物語を感じさせる文学性がある。その上でのあの素晴らしい体が、魅力的なギャップを生んでいます。『週プレ』とがっつり組んで安っぽくしなかったのも、戦略的にうまかったと思います」
なお、巨乳史の系譜では「河合奈保子さんがルーツにいそう」という。
「河合さんも音楽志向が根強くブレなかった。それに、やはり脱いだ時のギャップは同傾向にありますね」
一時は封印しかけた里帆パイだが、20年には「里帆採取 by Asami Kiyokawa」で溢れるお椀ナマ乳房を、今年は映画「ホリック xxxHOLiC」で“脱がせ屋”の異名を持つ蜷川実花監督の手腕により、マシュマロ乳が際立つSM風ドエロ衣装をまとっている。
「知名度を上げるために水着になり、おっぱいを見せる人はたくさんいますが、うまくいかない人が大多数。そんな中、こうした現在の活躍を見ると、やっぱり吉岡さんは特別な存在なのだと実感します」