DeNAの番長・三浦大輔監督が、自らの「塩対応」でピンチを招きそうだ。
試合後の取材対応は別にして、それ以外ではまともな受け答えはしないという。首脳陣にもそれは徹底されており、どんな質問を浴びせても「監督に聞いてよ」の一点張り。その監督が口を開かないのだから、取材になるはずもない。
ある在京スポーツ紙のデスクは、
「ベイスターズ担当と原稿の打ち合わせをしていても、まともな話にはならない。『質問に答えが返ってこない』と言うばかり。お手上げです」
とこぼす。
今季も開幕以降、DeNAは苦戦を強いられている。いちばんの原因は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響をモロに受けていることだ。
4月始めには4番・牧秀悟らが大量にコロナ感染し、4月8日から10日まで横浜スタジアムで開催予定だった中日戦3試合が中止となった。
直近でも5月19日には、伊藤光も倦怠感、発熱のためPCR検査を受け、陽性と判定されるなど、終息の気配を見せていない。
その上、故障者が続出。開幕して以来、なかなかベストメンバーを組むことができていない。DeNAの場合、牧を始め、佐野恵太や宮崎敏郎、ネフタリ・ソトなど、レギュラー陣の打撃力は他球団に決して引けはとらない。
だが、選手層が厚いとはいえないチームだけに、ひとりでも欠ければ戦力ダウンを余儀なくされる。三浦監督も頭を悩ませる毎日だろう。12球団ワーストのチーム防御率4.22(5月25日現在)が示すように、投手陣もピリッとしない。
今季、斎藤隆チーフ投手コーチら98年の優勝メンバーが首脳陣として集結。横浜がレジェンド内閣で昨年のヤクルト同様、前年最下位からの優勝を狙っていた。だがフタを開けてみれば、上位との差は開くばかり。最下位に沈む阪神の足跡が聞こえている。監督のストレスがたまるのも無理はない。
三浦監督といえば、現役時代からその人柄の良さで、チーム内では兄貴分として慕われ、フロントからの信頼も厚かった。同時にマスコミ受けもよく、昨季は最下位に低迷していても、批判の声は皆無に近かった。だが今季は「塩対応」で、その流れが変わりつつある。
(阿部勝彦)