「聴覚障害は本当」「新垣氏はウソつきだ」。イメチェンして謝罪会見するどころか、耳が聞こえていると指摘されるや、まさかの逆ギレを演じた稀代のペテン師・佐村河内守氏(50)。幕引きどころかゴースト騒動の余波は広がる一方で、映画音楽を担当した作品のDVDは出荷中止の憂き目に‥‥。
芸能レポーターの城下尊之氏が茶番会見の舞台裏を明かす。
「あの会見でわかったのは、ロンゲとヒゲとサングラスの『三種の神器』を取ると、何のオーラもないただのおっさんだったということだけ。前列には手話通訳者がいたんですが、佐村河内氏が何度も手話を見ないで質疑に答えようとするので、『こっちを見てくれ』と慌てて手を振って合図を送っていました。つまり、佐村河内氏は手話通訳など、ろくすっぽ見ていなかったということです」
まさに噴飯モノの会見を受け、ツイッターで沈痛の思いを表明したのが作家の新津きよみ氏だった。
〈ゴーストライター騒動で大勢の人間が関わった映画『桜、ふたたびの加奈子』が葬られつつあります。佐村河内氏(新垣氏)が音楽を担当しているからです。原作者として心が痛みます〉
この映画は、広末涼子の主演作として昨年春に公開され、12月にはDVD化された。しかし、その後、このゴースト騒動を受け2月に出荷停止となったのだ。
同映画のプロデューサーが、困惑した様子で説明する。
「出荷停止は商品に、佐村河内氏の虚偽のプロフィールや作曲過程に触れる特典映像やブックレットが同梱されているためで、再出荷のためには製造をやり直す必要も考えられる」
みずからの作品が世に出回らなくなるという迷惑極まりない事態に、同作監督の栗村実氏を直撃すると、
「私が佐村河内氏と知り合ったのは14年前のことです。作曲家として映画『秋桜』の音楽を手がけたということで関係者から紹介されました。つきあいも長かったのに、愕然として非常に残念に思っています」
当時の佐村河内氏の様子については、こう述懐する。
「私が知り合った2000年から01年の間は補聴器を付けておりましたが、言葉で普通に会話していました。それがその翌年になると、まったく聞こえないということになり、口話、またはわからない時には文章で会話するように変わりました。最近では手話通訳などを介するようになりましたが、普通に考えて耳が聞こえないという人を疑う人はいないのでは‥‥」
今後のDVDの再出荷については、語気を強めてこう続ける。
「音楽を作られた方がどうしたいかということでクレジット表記をするだけなので、それは代理人の方に決めてもらうしかない。私としては少なくとも曲を差し替えることは考えていません。そのためにはどういう処理をしたらいいかを考えていくことになる。私の知るかぎり、あの会見の前に連絡は一切なかった。関係していた人に先に連絡がなかったことは非常に残念に思っています」
会見では「新垣氏を名誉毀損で訴える」と最後までクダをまいた佐村河内氏だが、「迷走の第2幕」が始まるのか。はたして‥‥。