「向日町記念」◎脇本雄太/○古性優作/▲清水裕友/△宿口陽一/村上義弘/佐藤友和/成田和也/稲川翔/鈴木裕/小原大樹/坂井洋/石原颯
大本命のガード役でも、無風で回れればチャンスはある。
「向日町記念」(9月24日【土】~27日【火】)には、ここまでの4冠を2冠ずつ分け合うツートップが登場する。2人の連係実績は群を抜き、しかもラインは長くなる。無理に高配当を狙うより、3着の穴候補を探すほうが正解と言えそうだ。
脇本雄太が昨年に続き、無傷の4連勝で連覇するとみた。現時点で前走・共同通信社杯の成績はわからないが、連勝街道を突き進んでいてもおかしくない。脇本─古性優作に村上義弘─稲川翔がつければ、近畿は4車ライン。後方に引いても6番手の脇本が一気のまくりで決着をつける。
対抗の古性はヨコも強く、競りかける選手が出てきても負けるはずがない。無風で回れるようなら差し切り逆転がある。
あとは涼しくなって動きに鋭さが出てきた清水裕友と、タイミングよく仕掛ければ宿口陽一の台頭か。
この地元記念を3度制している村上義は、今回はアシスト役に徹する。かつての闘将も48歳になった。近畿勢から優勝者を出すために、これ以上の作戦参謀はいない。
機動型の中では、石原颯のスピードが一枚抜けている。清水の前で先行1車。脇本のワンマンショーに真っ向勝負を挑めば、得るものがあるはずだ。
【大穴この1車】
武藤篤弘(埼玉・95期)。
S級戦の3日間で掲示板に1度載るかどうかなのに、記念とGIIIの3場所では〈0156〉と3連対率5割と健闘している。5月宇都宮記念(〈6〉〈3〉〈3〉〈9〉)の3着2本が2万9630円と9990円。ファイナリストになった4月GIII青森(〈3〉〈3〉〈3〉〈6〉)は、順に17万円超、2万円超、1万円超だった。1月高知記念(〈4〉〈5〉〈2〉〈4〉)の3日目でも4万円超を演出している。筋違いが多く点数は絞りにくいが、1本は出す。
【狙い目の伏兵3人】
吉田有希(茨城・119期)は、西武園オールスターの5走で3着を外したのは1走(4着)だけ。競走得点も110点を超えている。関東の先頭で準決勝クリアを期待したい。
中部の新たな若手先行として力をつけてきたのが、橋本優己(岐阜・117期)だ。逃げても粘る脚があり、予選は突破できる。
今期S級入りした中嶋宣成(長野・113期)は、強い選手を輩出しているスピースケート出身の32歳。苦戦しているものの運動能力は高く、そろそろ大化けがあってもいい。
山口健治(やまぐち・けんじ):1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。