シンガーソングライターで俳優の松下洸平がジワジワきている。
視聴率は低迷しているものの「アトムの童」(TBS系)での抑えた演技は評価も高く、ユニクロのテレビCMでは、綾瀬はるかと何やらワケありげな関係を演じて話題を呼び、10月末に発売された全国ツアーのチケットは即日完売した。
歌も演技もこなすマルチプレイヤーといえば菅田将暉や福山雅治を思い出すが、松下は菅田のような「個性派枠」にも、福山のような「イケメン枠」にも入らない。また、バイプレイヤーを多く抱える劇団系の事務所に所属し、大手プロダクションの所属タレントのようなゴリ押しの後ろ盾もない。失礼ながら松下には地味な印象が拭えないのだ。ではなぜ、そんな松下が、ライブが即完売するほど女性ファンに支えられるのか。
「コロナ疲れと経済不安で女性視聴者が『安心して見ていられる人』を求めているのでしょう。今季の秋ドラマが事前予想に反して、バブル崩壊後の90年代ドラマのリメイク感がある『silent』(フジ系)一強であることからもうかがえます。バブル崩壊やリーマンショックなどの経済危機が起こって世情不安に陥ると、視聴していて疲れない人やコンテンツが求められるのです」(番組制作会社スタッフ)
松下は芸術家一家に育ち、シンガーソングライターとして子供番組の楽曲でメジャーデビューした。俳優としては、新型コロナが流行し始め、緊急事態宣言中に放送されたNHK朝ドラ「スカーレット」に出演した。
「『スカーレット』で松下は、戸田恵梨香の相手役を務めました。このドラマで松下は俳優としてもブレイクしたのです」(前出・番組制作会社スタッフ)
その繊細でソフトな演技やイメージが、今の時代のニーズに合っているのは確かなようだ。