今季、国内フリーエージェント権を取得したロッテの中村奨吾。そのFA権を行使せずに残留し、11月19日、来季の契約更改をしたが、その後に行われた記者会見では、契約の詳細について言い淀む場面があったという。
来季もチームのキャプテンを務める中村は、「勝ちにこだわったチームとしてやりたい」と意気込んだものの、年俸について聞かれると明言を避けたのだ。
「会見ではどの選手も『上った?下がった?』から始まり、次はその増減のパーセンテージを探る作業を行う。ところが中村は、『年俸公開は選手会で議論中』とつれない対応だった」(在京テレビ局スポーツ中継スタッフ)
確かに、12月5日に開催されるプロ野球選手会総会では、年俸公開に関する議論が行われる予定だ。
「個人情報保護の観点や、税務署から変に突っ込まれたくないという選手の思いが強く、『非公開にしたほうがいい』という話が出ています。年俸はあくまで『推定』なので実際と異なることも多いのですが、公に出る金額が大きいと『守銭奴』『銭ゲバ』という印象を持たれてしまうのではないか、と危惧する選手が急増していることも背景にありますね」(球界OB)
かつてプロ野球選手は「夢を体現する商売」と言われ、高額年俸に高級車、大御殿に住むのがステータスだった。くだんの中村も、来季から4年契約、総額約10億円の大型契約でサインしたとされる。ひと昔前にはプラカード的なものを用意し、会見でその年俸額の大きさを誇示した選手もいたが、もはやそんな時代ではないのかもしれない。