「男はつらいよ」シリーズなどでお馴染みの俳優・佐藤蛾次郎さんが、12月10日に自宅で亡くなっていたことがわかった。78歳だった。
捜査関係者によると、10日の午前10時すぎ、訪れた親族が浴室で動かなくなっている佐藤さんを発見。119番通報し、その場で死亡が確認されたという。死因は虚血性心不全だった。
佐藤さんのより詳しい死因は不明だが、この訃報を受けて指摘されたのが「ヒートショック」だ。これまで、風呂場で亡くなった有名人では、野村克也さん(17年)や平幹二朗さん(16年)、白川由美さん(16年)などがいる。白川さんが他界したのは6月だが、野村さんは2月、平さんは10月と気温が低い季節で、ヒートショックが原因とも言われている。医療ジャーナリストが語る。
「昨年の厚生労働省人口動態統計によれば、高齢者の浴槽内での不慮の溺死、および溺水の志望者数は4750人で交通事故死亡者数の約2倍にのぼり、やはり毎年11月から4月にかけて集中する傾向にあります。その大きな原因とされるのが、ヒートショックです。これは暖房の効いた部屋から脱衣所に移動してお風呂に入るまでの温度変化により、何度も血圧が変動することで心臓に負担がかかる。その結果、狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患などを引き起こすのです。糖尿病や高血圧、肥満、無呼吸症候群の人がなりやすいことで知られます」
65歳以上は特に陥りやすいとされるが、
「実は浴槽内での溺死や溺水の約1割は、15~44歳が占める。若者でも起こりうるため、年齢問わず注意が必要です」(前出・医療ジャーナリスト)
対策としては、部屋と脱衣所や風呂場の温度差を、空調などで小さくしておくこと、湯の温度をぬるめにしておくことなどが挙げられる。これからの季節、お風呂の入り方には十分に気を付けてほしい。