かつてサッカー日本代表で活躍した宮本恒靖氏の、日本サッカー協会会長就任プロジェクトが、ついに動き出す。
同氏は現在、協会理事の役職にあるが、1月19日に行われる理事会で、会長、副会長に次ぐナンバー3の専務理事就任が討議される見通しになった。同職は現在、須原清貴専務理事が務めているが、昨年12月には、2月末で辞任する意向を表明していた。
3月に決まるサッカー協会会長の任期は2年だが、2年後は信任を問うための選挙で、実質4年となる。今回、この会長選挙には田嶋幸三現会長の単独立候補により、事実上の続投が決定している。会長職はルール上、今年3月から8年間続けられるが、田嶋会長は「この4年を最後の任期にしたい」と明言。2026年に行われるアメリカ、カナダ、メキシコ3カ国の共同開催となるワールドカップを花道に、後進に道を譲る。
後任は岡田武史元日本代表監督以下、4人いる副会長の繰り上がりが考えられるが、実はそうならない可能性が高いと、サッカー関係者は言うのだ。
「現場の実績を考えれば岡田さんだが、本人にはその気がない。場合によっては田嶋会長とともに、第一線を退く可能性もあります。そこで浮上するのが、宮本氏です」
宮本氏は選手として02年、06年と2度、W杯に出場。海外でもプレー経験を持つ。英語も堪能で、引退後は国際サッカー連盟(FIFA)が運営する大学院「FIFAマスター」でスポーツ関連の法律や経営論を学び、日本人の元プロ選手としては初の、FIFAマスター卒業生となった。
さらにJ1のG大阪では、監督を務めた実績もある。日本をW杯でベスト8、いやそれ以上の成績に導くためには、またとない人材と言えよう。国内外にシンパは多く、今回のナンバー3就任は、会長抜擢ロードの一環だ。
現在46歳の宮本氏は、4年後にはまだ50歳の働き盛り。宮本ジャパンでW杯を制覇する日が来るかもしれない。
(阿部勝彦)