日本サッカー協会(JFA)のNO.3となる専務理事の役職に、元日本代表の宮本恒靖氏が2月1日から就任している。
02年、06年とW杯では2大会連続で主将を務め、「ツネ様」のニックネームで人気を博した宮本氏。「サッカーをもっと大きな存在にしたいんです」というのが就任時の挨拶だったが、これには伏線がある。スポーツ紙サッカー担当記者の話。
「JFA田嶋幸三会長が昨年3月に突然、『会長補佐』というポストを作って宮本氏を呼んだんです。その後はスポンサーや地方協会への挨拶回りなど、1年間キャリアを積んできた。今回の昇格は前任(須原清貴氏)が任期を残しながら退任を申し出たことがきっかけだといいますが、それは表向きの話。須原氏も田嶋会長が連れてきたのですが、宮本氏を昇格させたいがための、露骨な追い出しですよ」
4期目となる田嶋会長の任期は、24年3月まで。次のJFA会長就任に向け、宮本新専務理事がその最右翼に躍り出たことになる。
宮本氏は同志社大卒で、現役時代から経済紙を購読していたのは有名な話だが、経営面に関してはズブの素人。加えて監督業は18年からJ1・G大阪を指揮したものの、就任4年目で成績不振により解任されている。JFA関係者も顔をしかめて、
「『そもそも監督で結果を出せない人がJFAのトップになれるのか』といった揶揄は、すでに代表OBからも聞こえてきます。JFAもコロナ渦で苦しんでいるとはいえ、スポンサー契約などで、年間200億円近い収入は確実にあります。その一方では、自社ビルを手放さなければならないような状況にある。契約社員も含め250人以上の職員がいるJFAを宮本氏が上手く回せるのか、不安視する声は多いですね」
森保ジャパンは昨年のW杯で大躍進したが、それを統率する巨大組織の足元は、大きく揺らいでいる。
(小田龍司)