ES細胞が培養できなくなった代わりに、笹井氏はひそかに“アイドル研究者”を培養し始めたという。京大関係者が続ける。
「小保方さんのような『笹井ガールズ』を京大から理研に入れて、彼のハーレムを作ろうと計画していたようです。研究者としての実力は関係ないですよ。小保方さんでさえ採用率がきわめて低い『ネイチャー』に論文が採用されたんですから。笹井さんが代筆すればいいんです」
科学者というより、芸能プロダクション社長のごとくふるまった笹井氏を、札幌国際大学教授の大月隆寛氏はこう切り捨てる。
「本音は自分自身も目立ちたかったんでしょう。その流れの中で傷ついた、満たされない『プライド』の補填(ほてん)がしていける。小沢ガールズや小泉チルドレンを見ても明らかなように、政治の世界ではとっくにそうなっています。『エリート世界』の煮崩れ方っていうのは、もはや全面的なものになっていると思います」
小保方氏の問題について、理研の改革委員会は、舞台になったセンターの解体を提案している。京大関係者によれば、
「笹井さんは、実質的にトップの立場にいました。委員会は、笹井さんの作り出したハーレム構造を問題視しているのでしょう。センター内部に根ざした笹井閥を一掃するには、解体しかないということです」
女で金を生み出すことを成果と考えた笹井氏。彼もまた、科学の世界にはびこった「成果主義」や「競争原理」に取りつかれた一人だったのか──。大月氏が分析する。
「日本人は過剰に窮屈で融通が利かない『競争原理』を、勝手に『国際標準』だと思い込んでいるのかもしれません。一般の会社でも成果主義導入をしましたが、結果的に大失敗だったじゃないですか。スポーツなど勝負がはっきりわかる特殊な世界はともかく、一般社会で『成果主義』をどう運用できるのか。日本社会には、その前提も備わっていないのだと思います」
今回、委員会は笹井氏の退任を提案している。
「プライドの高い笹井さんがのむとは考えられません。小保方さんをかばったような会見をしましたが、あれは、プライドから間違いを認めたくなかっただけです」(京大関係者)
小保方氏がSTAP細胞再現に失敗すれば、共犯者として笹井氏の科学者生命も終わるという。科学界追放5秒前という厳しい状態なのだ。