選手個々の動きを観察してみると、複数の“仲よしバディ”を確認できた。中でもベッタリなのは、オリックスの山本由伸(24)と中日の高橋宏斗(20)である。スポーツ紙デスクが解説する。
「高橋にとって山本は師匠のような存在です。昨年の12月から約2カ月にわたって、山本の拠点がある大阪で自主トレを一緒に行いました。練習はもちろん寝食含めて“由伸流”を叩き込まれた結果、クイックのような投球フォームまで酷似するようになった。ただし中日の春季キャンプで立浪和義監督(53)からは苦言を呈されることになり、フォームを元に戻すことになったんです」
ところが強化合宿中の高橋のブルペン投球を見てみると、タメの少ないフォームで投げる場面が目につく。もしや竜の指揮官が不在なのをいいことに、フォームをさらに戻したのではないか。ブルペンから球場に移動する本人に確かめてみたところ、
「春季キャンプの初めの頃のフォームに戻したわけではありません。自分に合うものを試行錯誤しながら、完成に近づけている段階です。自主トレ中から由伸さんと一緒にやっていて、互いに議論を重ねながらやっていますが、フォームをマネている意識はまったくありません。常々、トレーニングに関する意識を学ばせてもらっていて、目からウロコな話ばかりでためになります」
と、まるっきり心酔した様子でニッコリ。侍最年少右腕は師匠の力を糧に成長を続けているようだが、3月3、4日に強化試合を戦う立浪監督は気が気ではないだろう。
続いては同学年コンビのロッテ・佐々木朗希(21)とオリックス・宮城大弥(21)ペア。23日には、ブルペンのシャッターを閉めて“秘密の特訓”に励む場面も見られた。
「代表質問で尋ねられた佐々木は『ただ、宮城と遊び感覚で練習していただけ』と言葉少なげ。もともと多くを語るタイプではありませんが、慣れない代表合宿の環境に疲弊しているのは見るからに明らかです。ロッテでは完全なるVIP扱いで、登板日やローテの順番も自由に意見できる環境下にいる。昨年、井口資仁前監督(48)が電撃退任を発表した理由の1つは、佐々木の起用を巡るストレスだったといいます。特別扱いされない代表でペースを乱されているようですね」(球界関係者)
19日の代表初ブルペンでは、ダルビッシュらチームメイトや視察に訪れていたドジャースのアンドリュー・フリードマン編成本部長を前に乱調。ストレートとフォークが大きく外れる場面も目立った。
「23日の2度目のブルペン投球では、幾分かストレートの状態が改善されたようですが、まだボールによって形状の異なるWBC公式球にアジャストできずにいる。昨秋のオーストラリアとの強化試合でも制球難に苦しんでいました。最悪、先発ローテから外さざるをえないでしょう」(球界関係者)
25日の壮行試合ではソフトバンクを相手に160キロ超の剛球を連発したが、本戦でも「快腕」を見せてほしい。