セ・リーグを2連覇したヤクルトは、2月から行われている沖縄・浦添キャンプに古田敦也氏、真中満氏を臨時コーチとして雇い、指導にあたらせた。この一件について、球団OBが感心しながら語る。
「ファミリー球団とも言われるヤクルトとはいえ、2人の監督経験者がそろってコーチとして参加するのは異例のことです。高津臣吾監督たっての希望で野手やバッテリーの指導をお願いしたということでしたが、これは3人の『仲の良さ』があってのことでしょう」
確かに他球団であれば、歴代の監督経験者が複数人集まってキャンプで指導するということなどほとんどない。むしろ、前任者と現監督がいがみ合ったり距離を置くことも少なくないだろう。
もっとも、仲が良くても譲れないのが「ギャラ」だったという。
「真中氏には当初、1カ月間の臨時コーチを要請していたといいます。しかし、真中氏の答えはNOだった。理由を探っていくと、『テレビ中継がかぶらない期間なら引き受ける』という条件だったようです。テレビ解説と比べると、コーチのギャラは割に合わなかったのでは、とも言われましたね」(前出・球団OB)
意気に感じて引き受けるという男気もあるだろうが、プロとしてコーチの仕事をするのであれば、ギャラにこだわるのも当然だろう。真中氏には、「お友達料金」などでは妥協できない、という思いもあったのかもしれない。