女遊びも芸の肥やし、なんて言われた昭和時代とは異なり、コンプライアンスが厳しい令和では、芸能人にとって下半身スキャンダルが即、命取りになる時代だ。
ところがそんな中にあって、疑惑発覚後も全くのノーダメージで、かえって仕事量が増えたのでは、と思える活躍を見せているのが、お笑いコンビ「千鳥」の大悟なのである。
大悟の最初の「お持ち帰り」を写真誌「FRIDAY」が報じたのは、16年12月。相手はタレント・藤崎奈々子似の「ヒョウ柄茶髪」美女で、2人は食事の後にシティホテルへ。
同誌の直撃に対し、大悟は「一緒の部屋には入っていない」として「(夫人とは)上手くいってますよ。だから(不貞は)、あるわけがない。記事、優しめにお願いしますね」と苦しい言い訳に終始した。
ところが、その疑惑否定からわずか4カ月後の翌17年4月、今度は「女性自身」に、金髪ダンサー宅への「お泊まり」が写真入りでスッパ抜かれ、都内で行われたイベント発表会が急遽、釈明記者会見の場と化したのである。
イベントのステージには相方のノブをはじめ、千原兄弟のせいじ、ココリコら共演者も登壇。序盤から「金髪ダンサー」という単語が飛び交う中、顔を引きつらせながら冷や汗をかく大悟に代わり、ノブが当日の状況をこう説明した。
「バラエティー番組の収録日で、オープニング時に大悟がまだ来ていなくて。マネージャーが電話したら、すぐ着くから待っててくれ、と泣きそうな声で言うんです」
そして収録直前にスタジオに飛び込んできた大悟の様子を、
「今、記者に突撃されとったんだ。タクシーも一緒で、もう、すごいげっそりしていて、顔も目も真っ赤。俺、金目鯛が来たのかと思った」
と説明したのだった。
ただ、記者から「奥さんには許してもらえたんですか」と聞かれた大悟は、
「ええ…まぁ、許してもらったというか、もう死ぬ気で笑いに変えてこい!と」
ひきつったままの笑顔で答える姿に、会場が失笑に包まれたのだった。
10年に結婚した大悟には妻と2人の子供がいるので、アンジャッシュの渡部建同様、不貞スキャンダルだ。しかしながら、なぜか大悟の場合はほぼ無傷で、そのまま芸能活動を継続。その理由を、危機管理の専門家はこう分析してくれた。
「ひとつには、イメージが命となるCMの仕事が少なかったこと。加えて『不貞』と大悟さんのイメージとに落差が少なかったことで『バレてざまぁ見ろ』的な要素が少なく、思ったほど大衆の溜飲が下がらなかったからでしょう。つまり『あいつならやって当然』というイメージが逆に幸いして、自然体で危機管理できてしまった稀な例だったということです」
つくづく渡部との差が浮き彫りになるのだった。
(山川敦司)
1962年生まれ。テレビ制作会社を経て「女性自身」記者に。その後「週刊女性」「女性セブン」記者を経てフリーランスに。芸能、事件、皇室等、これまで8000以上の記者会見を取材した。「東方神起の涙」「ユノの流儀」(共にイースト・プレス)「幸せのきずな」(リーブル出版)ほか、著書多数。