3月19日、文京区湯島のマッサージ店に男が押し入り、店内にいた女性2人を刃物で切りつけて金品を奪い、逃走した。女性2人は従業員とみられ、それぞれケガをしたが、命に別状はないという。警視庁は逃げた男の行方を追っている。
「治安が悪いというわけではないが、ここ最近、街の雰囲気が変わったように感じる」
と話すのは、近所に住む男性だ。湯島では昨年5月、ベトナム国籍の女性が路上で口におしぼりが入った状態で死亡するという事件が起きており、同年9月には女性を放置させた保護責任者遺棄致死の疑いで、21歳から27歳のベトナム国籍の男女4人が逮捕されている。
男性が話すように、上野はコロナ禍で最も変わった街といえるかもしれない。その理由として、コロナ禍で就職先を失った外国人留学生が働く店が増えたことが大きい。昔はホテル街の印象が強かった湯島だが、今ではタイ、フィリピン、ベトナム人など、外国人が働くパブやガールズバー、クラブがひしめき合っている。
また、コロナ禍で深夜に酒類を提供する飲食店が休業や時短要請になったことも、要因としてあるだろう。上野駅周辺は昼間から飲める店が多く、コロナ前は地元民で溢れていた居酒屋が、休日にもなると、多くの若者で賑わうようになった。
湯島を中心に、上野はもともと、昔から暮らす地元の人が多い街であった。しかし多くの外国人や都区外からの若者が訪れるようになり、今では街全体が混沌とした雰囲気と化している。地元住民の目が届きにくくなるということは、犯罪に手を染める者にとっては好都合となる。昔からの地元住民は、気が気でないだろう。