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U-20日本代表敗退で森保ジャパンに暗雲…期待できる選手は「1人だけ」という大ピンチ

 世界一を目指してU-20W杯アルゼンチン大会に挑戦したU-20日本代表は、1勝2敗で2001年以来となるグループリーグ敗退に終わった。目標は脆くも崩れ、現実を見せつけられた形だ。

 3試合とも試合内容からすれば、負け試合だった。初戦のセネガル戦(1-0)は、松木玖生(FC東京)のゴールで先制するが、その後は完全にセネガルのペース。相手のシュートミスに助けられ、同点にされていれば、さらに逆転されるのは時間の問題だった。それでも、こういう試合はありうる。日本にとって大きな勝ち点3だった。

 続くコロンビア戦(1-2)も、日本は前半30分に山根陸(横浜FM)のゴールで先制する。ところが後半に逆転されて敗戦。同点に追いつくチャンスだったPKを松木が外したのが痛かったというが、スピードで負て、1対1でも負けてと、全く歯が立たなかった。完全な負け試合だったと言える。

 問題はイスラエル戦(1-2)だ。引き分け以上で決勝トーナメント進出が決まる日本は、試合開始から主導権を握り、イスラエルを押し込む時間帯を多く作った。そして前半終了間際の47分、坂本一彩(ファジアーノ岡山)のゴールで先制する。

 後半に入っても、日本は主導権を握っていた。そして後半23分、イスラエルの選手が2枚目のイエローカードで退場となり、日本が1人多い状況となる。1-0でリードしており、相手は10人。日本の決勝トーナメント進出は時間の問題だった。

 ところがそこから、勝たなければ決勝トーナメントに進出できないイスラエルの猛攻を受け、まさかの逆転負け。冷静に試合を運べれば、日本が追加点を決めることができたのに、どちらが1人少ないのかわからない展開だった。

 この3試合を振り返れば、グループリーグ敗退は当然の結果だった。

 元々、アジア予選を兼ねたU-20アジア杯で圧倒的な強さで優勝したのならわかるが、準決勝敗退だった日本に、本大会で優勝を目指せるチーム力があったのか。J1に所属する選手の中で、クラブで主力としてプレーしているのは松木だけ。史上最多4人の海外組と言われたが、2人はBチームに所属、残り2人はアカデミーのチーム。トップチームでベンチにも入っていない。そのほかはJ2と大学生。他の国のメンバーと比べると、実力は落ちる。

 アジア予選から本大会までの準備期間が短く、強化試合を組めなかったことも痛かった。例年ならば本番までの時間があり、世界の強豪と腕試しをすることができた。今回はまるで、ぬるま湯から熱湯風呂に入れられたようなショックを、選手たちは感じたのではないだろうか。

 ただ、この世代の目標は、ここで終わりではない。この大会をステップアップの場として、パリ五輪経由で2026年の北米W杯出場というのが最大の目標ではないか。

 では、今回のメンバーにその可能性を秘める選手がいるかといえば、現段階では松木ぐらいだ。他の選手はこの悔しさをバネに、常に世界を意識して、どこまでレベルアップできるか。この世代の押し上げがなければ、森保ジャパンの選手層の厚さには繋がらないと思うのだが。

(渡辺達也)

1957年生まれ。カテゴリーを問わず幅広く取材を行い、過去6回のワールドカップを取材。そのほか、ワールドカップアジア予選、アジアカップなど数多くの大会を取材してきた。

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