米大リーグエンゼルス・大谷翔平の活躍が連日メディアを賑わせているが、そのためかここへ来て、メジャー経験のある2人の投手比べがネット上で話題になっている。「松坂大輔と岩隈久志、どっちが上か」論争だ。
松坂は1998年に西武に入団。2007年からはレッドソックスで活躍し、メッツを経て帰国。ソフトバンク、中日、西武と各球団を渡り歩き、通算成績は日米で377試合に出場し、170勝108敗2セーブ。
一方の岩隈は1999年に大阪近鉄に入団。その後、楽天からマリナーズを経て巨人で引退。通算成績は日米合わせて376試合に出場し、170勝108敗2セーブを記録。実働年数こそ違うものの、驚くべきことに成績が一緒なのだ。
松坂はルーキーイヤーでいきなり16勝を挙げ、その後も2桁勝利を続けるなど「怪物」ぶりを見せつけた。一方、岩隈も大阪近鉄時代の4年間で42勝を挙げ、エースとして活躍。どちらも甲乙付けがたいが、意外やファンの意見を見てみると、岩隈を推す声の方が大きいようだ。
スポーツライターが語る。
「評価の分かれ目は、2人が所属していたチームにあるようです。松坂は当時、常勝球団だった西武で勝利を積み上げましたが、一方の岩隈は結成されたばかりの楽天で一人奮闘していた期間がありますからね。特に2008年は21勝と当時では驚異的な勝ち星を挙げています。また、松坂がメジャーでも常勝軍団のレッドソックスに所属していた一方、岩隈は4位が定位置のマリナーズ。勝負の世界に『たられば』はありませんが、松坂と岩隈がそれぞれ逆のチームに所属していたら、勝敗が同レベルにはならなかったかもしれません」
それにしても、どちらの選手も一時代を築いた名投手だが、まさかここまで通算成績が似通っていたことには改めて驚かされる。
(ケン高田)