バレーボール・ネーションズリーグ(VNL)予選ラウンドフィリピン大会最終戦(7月9日)で日本(世界ランク6位)はポーランド(同1位)に0-3と完敗した。
VNLは世界バレーのトップ16が集まる大会。日本は今大会で開幕10連勝からの連敗となり、日本時間20日から開幕するファイナルラウンド(ポーランド)への進出を決めている。
最新の世界ランク1位のポーランドに完敗という結果には手も足も出ないと内容とみられがちだが、それは違う。この日の日本はあえて控えメンバー主体で試合に臨んでいたからだ。
主将の石川祐希は「反省の多い試合だった」と試合後、コメントしたが、今大会では東京五輪金メダルのフランス(6月11日=3-1)や苦手だったブラジル(同22日=3-2)を30年ぶりに撃破するなど大躍進を遂げ、石川曰く「誰が出ても強い」チームになった。
男子バレーは五輪では2008年北京大会から3大会連続で出場を逃している。日本バレーボール協会では13年に史上初となる外国人監督(ゲーリー・サトウ氏)を招聘するが、わずか1年で解任。バレー担当記者によれば、
「そのとき土俵際に追い込まれた日本協会は出場が決まっていた東京五輪に向け、若くてノビシロがあり、人気選手を作るべくあえて『イケメン』の選手を発掘した。その第一人者が当時、大学生だった石川祐希でした」
石川は中央大学在学時に各国代表の主力が揃うイタリア・セリエAの試合に出場。日本の大学に在籍しながら、米メジャーリーグ大谷翔平ばりの『バレーボル版二刀流』を貫いた。卒業後、プロに転向して、これに続く形で続々と代表メンバーの中で「海外組」が誕生。強豪相手にも全くビビらなくなった。
フィリピン大会では、石川を筆頭にしたイケメン揃いの日本に現地の女性ファンが大挙して応援するというホームの雰囲気で、日本の快進撃を後押ししていた。
ただ一つの懸念が、日本ではまだマイナーであること。今大会、日本の躍進もスポーツ紙などでは1面掲載はほぼゼロ。TVもBS(TBS)で生中継だけ。地上波のスポーツニュースでもほとんど扱われてない。9月に日本で開催されるW杯までに、どこまで人気が熱を帯びるか。同大会への成績にも影響しそうだ。
(小田龍司)