セ・リーグ前半戦を単独首位で折り返した阪神タイガース。15年ぶりに復帰した岡田彰布監督は「良い時と悪い時の差が激しい前半戦だったけど総合的に見るとよかった」と笑顔も見せた。
「最後はユニホームを着て死にたい」とまで話していた岡田監督にとって、阪神監督の再登板は最高の舞台だ。5月には球団歴代最多タイの月間19勝を記録。開幕前に「今年はアレをやりますから」と岡田監督がオリックス時代に使った隠語(アレ=優勝)で優勝宣言し、チームも今季のスローガンを「A.R.E(Aim・Respect・Empower)」に決めるなど、フロント陣も岡田監督をしっかり支える体制にある。
そんな雰囲気が、何かとお家騒動が悪しき伝統の阪神にあって今年の強さの要因の一つと言っていい。
その岡田監督は2年契約に加え前半戦の好調もあり、フロントでは来季続投がすでに既定路線となっているが、「ポスト岡田」も自身が着々と進行させているという。阪神担当記者が語る。
「岡田監督が自ら阪急阪神ホールディングス・角和夫会長に『(阪神のOBには)若くて勉強して、いい監督になれる人材が豊富』と、自分の後の複数の候補者をすでに打診しています」
今季はもちろん来季も連覇して勇退。その後はゼネラルマネジャー(GM)職も兼務する、事実上の「全権監督」の道が見えている。
「球団には愛はないが、阪神という名前には愛がある」という、タイガースファンなら泣いて喜ぶコメントを発信して今シーズンのスタートを切った岡田監督。後半戦もその一挙手一投足が注目される。
(小田龍司)