眠ったままの「燕」はいつ起きるのか。ヤクルトの主砲・村上宗隆のことである。
7月12日の中日戦では2打席連続本塁打を記録。弾丸ライナーで目が覚めるあたりだった。翌13日も、2打席目にライトスタンドへのアーチ。これで完全復活と思いきや、15日はヒット1本のみで、ホームランが飛び出すことはなかった。
前半戦が終了した時点で、打率は2割4分2厘、16本塁打、49打点。「令和初の三冠王」ともてはやされた昨年の成績と比べると、明らかにペースが遅いどころの話ではない。セ・リーグ関係者が冷ややかな目で言う。
「3月のWBCに合わせてハイペースで調整した結果、完全に調子が狂ったままシーズンに突入しましたね。昨年、あれだけの成績を残したので厳しいインコース攻めもあり、なかなか自分のバッティングをさせてもらっていない。中日戦で快音連発? 140キロ台半ばの『チャンスボール』がたまたま来たから打てただけ」
チームとして手取り足取り教えればいいのだが、そうもいかない事情がある。
「どんな名監督よりも実績を作っちゃいましたからね。高津臣吾監督、コーチ陣は村上に嫌われたくないから、積極的に厳しいことを言わないのです」(球団関係者)
今シーズンは「放置プレー」で終了の様相だ。