綾瀬はるかが8月11日にロードショー公開される映画「リボルバー・リリー」(東映、監督・行定勲)で、初めて本格的なアクションに挑戦している。
役柄は16歳からスパイ任務に従事し、東南アジアを中心に57人の殺害に関与した経歴を持つ凄腕の元スパイ役。そんな彼女が、関東大震災の爪痕が癒えぬ大正末期の帝都・東京を舞台に、謎の男たちに追われる少年の命を守りながら難敵相手にリボルバーを携えて立ち向かっていく。川辺で、列車の中で、カフェの前で、池の中で、海軍省の建物の前で。
綾瀬はるかといえば、古くは「ICHI」(2008年)で剣術を、最近では「レジェンド&バタフライ」(23年)で武士を相手に大立ち回りを披露したが、今回は出演場面の半分以上がアクションという凄まじさ。次々と襲いかかる相手を両手両足を駆使して次々と投げ倒していくのだ。本人が「汗だくで部活をやっているみたいだった」と言うのも納得がいく。
武術の所作が美しく、銃さばきもバッチリ決まっている。1カ月以上にわたる特訓を積み臨んだだけあって、リアリティーがある上に迫力満点なのだ。その身体能力の高さには改めて驚かされる。
ちなみにリボルバーの重たい引き金を引き続け、指が攣りそうになって豆ができたそうだ。それにもめげず、黙々とアクションをこなしていったとか。
売り物はアクションだけではない。胸元大胆な艶やかなロングドレス姿も披露し、随所に大人の色香も漂わせている。ホンの一瞬だが、逞しい背中も全開にしている。
そのロングドレス姿は戦いから解放された際に見せるもので、しっかり淑女となっている。戦闘場面での白のワンピースに黒のブーツ姿とのコントラストが何とも言えない。
2時間18分を心躍らせながら一気に見ることができる。「これぞノンストップアクション!」という謳い文句も決してオーバーではない。銃弾を撃ちまくり、撃たれまくる綾瀬のド迫力のアクション演技には圧倒されるばかり。主演女優賞ものと言っていいだろう。
(映画ライター・若月祐二)