夏恒例の人気野外フェス「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2023」が、来年から茨城県ひたちなか市でも開催される方向で最終調整していると、NHKが独自に報道したことについて、フェスの総合プロデューサー・渋谷陽一氏が公式サイトで猛抗議を展開している。
渋谷氏の声明によると、開催発表は一律で解禁したい意向があり、事実確認をしてきたNHK側には、何度も解禁日時を合わせるよう要請していた。それが守られなかったようなのだ。渋谷氏は「とてもぞんざいな扱いを受けて報道されたことに怒りを感じます」と憤激。NHKに抗議メールを送付したことも記している。音楽サイト編集者が言う。
「芸能、音楽に身を置いている者にとっては、自分たちや主催者、事務所の意向が最優先させられるべきという意識が強く、業界内ではそれが忖度されます。ところが『報道』という畑違いのNHKにとっては、いったい何のことか、という話。渋谷氏が主張する公式発表と同時解禁では、特ダネになりません。そもそもニュースを報じた水戸放送局の報道担当者に芸能、音楽業界のしきたりを理解する人がどれだけいたかも不明。トラブルは起こるべくして起こったと言えます」
だが一方では、こんな見方もある。
「NHKが報道を優先させたことで今後、芸能・教養番組で同フェスの取材が難しくなることは容易に想像できます。『SONGS』などの音楽番組で使われるアーティストの密着取材も、主催者権限ではねられる可能性はありますからね」(音楽番組制作関係者)
フェスは新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて2020年、21年は中止に。昨年からは、感染対策が取れる千葉市蘇我スポーツ公園に会場を移して開催された。再び聖地で「復活」させるというニュースバリューをめぐり、渋谷氏とNHKの間に温度差があったのも、トラブルになった一因かもしれない。