これらスキャンダル閣僚に関しては、与野党国会議員の間でさまざまな声が飛び交っている。
「SM大臣の件は、『議員が行ったこともない店に、秘書だけが行くだろうか』と首をかしげる人もいる。SMバーの上客は店に行かずにホテルに女性を派遣させてプレイすることがあると聞くし‥‥。江渡氏は集団的自衛権の法整備担当者だから、野党は法案が提出される時を狙って本格攻撃を仕掛けるつもりらしい」(野党議員秘書)
いずれにしても、そうした情報をリークした発信元は官僚だという。政界関係者は渋い顔だ。
「政治資金収支報告書を管理する総務省の役人などは、『修正したほうがいいんじゃないかリスト』という、危ない国会議員のリストを持っている。小渕氏の場合は、そのデータを流されたんだよ。安倍総理は官僚主導ではなく政治主導論者で、官僚は安倍政権を弱体化させることに血道を上げているから‥‥」
菅官房長官は「国会では政策論議をやるべきだ」とスキャンダルの火消しに躍起で、マスコミにも派手な報道を控えてほしいと要請。政治部デスクは、
「野党対策として誰か1人を議員辞職させるところまでやらないといけない、との話が出ています。血祭りに上げられるのが小渕氏だと。一説には安倍総理が小渕氏に『傷が深くなる前に潔く議員辞職したらどうか』と促し、小渕氏も納得した、とも言われます」
ジャーナリスト・森省歩氏も言う。
「政治倫理審査会が開かれ、小渕氏が出席することになれば真っ黒認定され、アウトです。さらに公職選挙法違反で起訴されたら、もう終わりですから」
わずか2カ月前には予想だにしなかった惨状に、安倍総理は大慌て。森氏が続けて明かす。
「安倍総理に近いさる自民党側近幹部が『ものすごい焦って、弱気になっている。こんな弱気な安倍さんは見たことがない。(2度目の)政権を取ってから初めて見る憔悴ぶりだ』とタメ息をついていました。閣僚スキャンダル続出のストレスとイライラ感で持病の潰瘍性大腸炎の症状が悪化し、体調は激変しています」
潰瘍性大腸炎は、第一次安倍政権で佐田玄一郎元行革担当相、松岡利勝元農水相、赤城徳彦元農水相らの事務所費不正問題などによる辞任ドミノで窮地に追い込まれ、政権を放り出して入院したことで明らかになった病名である。症状悪化の「兆候」は、10月3日の衆院予算委員会ですでに表れていた。質問に立った民主党・辻元清美氏(54)が、
「質問したいのですが、総理がですね、今(トイレに)行かれたので、えー‥‥ちょっとですね、総理のお帰りを待ちたいと思います」
と苦笑いしながら答弁。その間、菅官房長官の「代理答弁」で時間を埋めたのだった。