阪神・岡田彰布監督の「1軍選手全員をみやざきフェニックス・リーグに参加させる」というプランに、他球団から大反対の声が噴出している。
フェニックス・リーグは毎年10月に宮崎県で行われる秋季教育リーグの名称で、2004年にイースタン・リーグ6球団で開催。翌2005年には全12球団が参加している。
2006年以降は韓国プロ野球や独立リーグの選抜チームも参加しており、今年は韓国プロ野球選抜2チーム、四国アイランドリーグplus選抜、日本独立リーグ野球機構選抜を含む全16チームが参加する。今年の日程は10月9日から30日。これを1軍選手の調整の場にされては困るというのだ。さる球団の関係者は困惑を隠さない。
「確かに1軍の選手が多数参加してはいけない、ということはない。これまでもCS出場チームの投手が、調整のために使うケースはあった。ただ、フェニックスはあくまで将来性のある若手を鍛える場。大山悠輔や近本光司、中野拓夢といった優勝チームの主力野手まで多数出てくれば、他チームの若手投手とはレベルが違いすぎる。自信を喪失しかねない」
阪神は日程を順調に消化すれば、10月1日の広島戦(マツダ)でレギュラーシーズンが終了。CSファイナルステージの開幕は10月18日のため、16日間も実戦から遠ざかる。実戦感覚を保ち、CS突破、その先に横たわる38年ぶりの日本一に向けて、実戦形式の試合は不可欠だ。「社会人チームと練習試合をしてもなぁ。やっぱり難しいなぁ」というのが岡田監督の言い分だ。
まだCSがなかった前回優勝の2005年は、10月5日にリーグ戦が終了した。日本シリーズまで16日間の空白があったが、主力野手の大半は甲子園球場で練習。結果、それが響いた。シリーズではロッテ相手に4連敗。得点は4試合で合計わずか4だった。
とはいえ、別の球団関係者も、
「毎年毎年、優勝チームが主力野手まで出場することになったら、教育リーグの意味がなくなる」
と警鐘を鳴らしており、反発は必至だ。
(阿部勝彦)