突然ですが、ここで問題。世界で最も多く作られている農作物はな~んだ? コムギ? 大豆? ブッブッー、不正解! 実は正解は、あのトウモロコシなのだ。
トウモロコシにはナゾが存在する。イネなら野生イネ、コムギならタルホコムギやエンマコムギと、大半の植物でその祖先が判明しているにもかかわらず、トウモロコシはルーツが全く分からない。植物学者の間でも長い間、「謎に包まれた植物」と言われてきたのだ。植物研究家が言う。
「トウモロコシは中米原産の作物で、イネ科に属する植物です。イネ科の多くは両性花、つまりひとつの花の中に雄しべと雌しべがありますが、トウモロコシはちょっと変わっていて、茎の先端に雄花が咲き、茎の中ほどに雌花ができる。雌花から絹糸という長い糸を伸ばして、花粉をキャッチしているんです」
我々が口にしているのは雌花が成長した部分なのだが、この皮に包まれた粒である種子は本来、タンポポなどのように綿毛で種子を飛ばすなどして、子孫を残そうとする。しかしトウモロコシは、散布すべき種子を皮で包んでいるため、子孫を残すことができない。
「つまりトウモロコシという植物は、自分ひとりの力では子孫を残すことができず、人間など他者の手助けなしには育つことさえできない、極めて珍しい植物。ゆえにトウモロコシは宇宙人が開発し、初めから食べられることを前提に、古代人に食糧として授けたという言い伝えがあります。それどころか、マヤ文明の伝説では、神々がトウモロコシを練って、それが人間を創造するものになったのだと。つまりこの説が正しければ、人間の祖先はトウモロコシだったということになります」(前出・植物研究家)
いやはや、まさにブッ飛ぶような驚愕説だが、これもトウモロコシの正体がわからないからこそなのである。
(ジョン・ドゥ)