プレーオフでは敗れたが、試合ごとの獲得ポイントで争う「メルセデス・ランキング」では首位につけた。女子ゴルフの山下美夢有である。
「樋口久子三菱電機レディース」が10月29日、埼玉県武蔵丘GCで最終ラウンドが行われ、首位と2打差の2位から出た山下はスコアを2つ伸ばし、通算9アンダー。3人によるプレーオフへと駒を進めたが、1ホール目にアプローチがオーバーしてしまい、バーディーを取れずに優勝を逃した。今季5勝目とはならず「切り替えていい状態でまた次の大会を迎えたい」と話した。
昨年、史上最高額となる2億3500万円超の賞金を獲得。メルセデス・ランキングでも1位に輝き、シンデレラストーリーを駆け上がった山下が、2年連続の栄冠に前進した。ゴルフライターが言う。
「安定性が他のプレーヤーより優れています。身長150センチでドライビングディスタンスは劣りますが、フェアウエーキープ率が高く、しっかりとグリーンをとらえる技術を持ち併せている。2020年夏に300万円程の弾道計測器『トラックマン』を購入するなど、デジタル機器を使って100ヤード以内の小技やショットを修練しました」
昨年の賞金女王は今も父・勝臣さんがコーチを務め、細かいスイングのチェックをしてくれているという。
「週末に父が駆けつけることで、山下のメンタル的な安定につながっています。勝臣さんに全幅の信頼を置いていることが、快進撃の要素になっています」(前出・ゴルフライター)
「美しい夢が有る子になってほしい」という思いで名付けられた「美夢有」という名前の通り、2年連続の年間ポイントレース1位の夢が見えてきた。
(田中実)