ルーキー・田口貫太騎手が、12月3日の阪神・ギャラクシーステークス(3歳上オープン、ダート・1400㍍)で特別戦&メーン初勝利を果たした。
騎乗していたのは8番人気のマルモリスペシャルで、好位から直線で抜け出してカセノダンサーをクビ差競り落としたもの。所属する大橋勇樹厩舎の馬なので、喜びもひとしおだったろう。
田口騎手はその日の1Rでもアリエスキングで勝っており、この時点で通算30勝に達成。JRA賞・最多勝利新人騎手賞の資格を獲得した。
彼の魅力は足腰と腕の強さ。新人離れしたものがあり、ベテラン騎手を相手にしても追い負けることがほとんどない。その最たる例が、10月1日・阪神最終レースのマイネルプロンプト(12番人気)。何と、11歳の同馬で直線を抜け出し、JRA平地最高齢勝利記録を更新して見せたのだ。
これにはビックリ。なにしろキタサンブラックやドゥラメンテと同期の馬が、フレッシュな若駒相手に勝ってしまったのだから。おそらく、競馬珍記録として長く残っていくことだろう。
ちなみに、田口はその前日の最終レースでもヤマイチエスポ(7番人気)で勝利。2日続けて最終レースを勝利したことで、競馬ファンのあいだで「最終の貫太」と呼ばれるようになった。9日、10日も最終レースで騎乗するが、果たしてどうなるか。
結果を出しているので、騎乗数もドンドン増えてきている。今週の阪神ジュベナイルフィリーズ(10日)では、ニュージェネラルでGⅠに初めて騎乗することになった。1勝馬なので抽選待ちだったが、それをクリア。チャンスが巡ってきたのだ。
追い切りに騎乗後には、「道中しっかりハミを取って、しまいも持ったまましっかり動いてくれました。1年目の僕にGⅠの依頼をいただいて、馬主さんや厩舎の方々に感謝の気持ちでいっぱいです」と発言。喜びを露わにしてみせると同時に、勝負師らしいところも漂わせていた。
レース当日の10日はちょうど20歳の誕生日にあたる。再びミラクルを引き起こすかもしれない。
(競馬ライター・兜志郎)