12球団随一のイケメン監督といわれる西武・松井稼頭央だが、実はその容姿にはそぐわない「恥ずかしすぎるエピソード」がある。
代表的なものが、メジャー時代のある発言だ。松井は2004年にメッツに入団、その後はロッキーズ、アストロズと渡り歩いている。日本プロ野球の開幕戦セレモニーはどの球団も豪華だが、メジャーのそれは比べものにならない。
ある年の開幕戦で行われたセレモニーが、ステルス戦闘機のデモンストレーション飛行だった。ステルス戦闘機は相手のレーダー探知を困難にする技術を適用した戦闘機のことだが、もちろん透明なものというわけではない。
ところがステルス機のデモ飛行と聞いていた松井は、肉眼で目撃できることに、
「なんでステルスなのに見えるの?」
とチームメートに真顔で質問して爆笑、失笑を誘ったという。
その天然ぶりを示すエピソードは、PL学園時代にも残していた。PL学園野球部は寮生活で、一部屋に上級生と下級生が共同で生活することになっている。当然、下級生は上級生のお使いなど、身の回りの世話を全力でしなければならない。そのひとつに、寮の近くにある自動販売機で飲料水を買いに行く、というものがあった。
たかが飲料水1本だが、下級生は買い物をするだけで、自分の分は買うことができないのが、鉄のルールだ。ところがバレないと思い、自分の分も購入。部屋に戻る前に飲み干し、知らぬ顔をすることがあったという。
実はここに落とし穴があった。飲料水を買えばその都度、取り出し口に缶が落ちてくる。2本買えばもちろん、2回音がする。その音が自室まで届くことを知らなかった松井は、何食わぬ顔で戻るとバレバレ。
「どうして缶が落ちる音が2回も聞こえてくるんだ!」
そう詰め寄って激怒する上級生に、恐怖のお仕置きを受けたという。
(阿部勝彦)