岡山の柏野幸二は戸田を走るチャンスが少なく、最近5年間にわずか24走しかしていない。だが、その着取りはすばらしく、1着なんと11本、2着7本。2連対率75.0%、勝率8.38の高水準である。前回出場したのは一昨年12月だったが、あの時も池上裕次らを相手に逃げ切り一発、優勝ゴールを駆け抜けた。
柏野が戸田で好走してきた最も大きな理由は、スタート力にある。戸田はコース幅が狭く、第1マークが極端にスタンド側に振られている。スタートで立ち遅れると艇団にもまれ、態勢を挽回できない。いち早く第1マークに到達して先手必勝で攻め抜く。これが何よりも大切な水面だ。
戸田での柏野の平均スタートはコンマ14。計24走の発順はトップスタート12本、2番スタート5本。3、4、5番手で出たのが7本。6番手に遅れたケースは1回もなかった。タイミング的に見ればゼロ台が6本、10台14本、20台4本。戸田でこれだけ速いスタートを決められる選手は、むろん一握りしかいない。
その柏野が12月11日【木】~16日【火】の「戸田一般戦」にやって来る。一昨年の優勝ゴールからちょうど2年、待ちに待った参戦である。今回もコース不問の弾丸スタートを決め、必ず高配当の主役に躍り出るだろう。
なお、柏野の次走地は12月21日~27日の「蒲郡一般戦」となっている。
◆ボートレース評論家・水上 周
◆アサヒ芸能12/9発売(12/18号)より