帰省シーズンを前に、JR東日本が「みどりの窓口」を次々と廃止していると、12月10日付の本サイト記事で紹介したが、その後、JR高田馬場駅でも廃止になった。山手線の停車駅ですら、みどりの窓口のある駅は12月27日現在、10駅になってしまった。
インターネット予約や券売機操作が苦手な高齢者や、割引制度を利用する障害者は、在来線と新幹線が乗り入れる主要駅の窓口の長蛇の列に並ぶしかなくなった。東京駅などでは、自動券売機を前にフリーズしている外国人観光客も見かける。
ところが簡単に買えなくなったのは、切符だけではなかった。今年10月末に車内販売終了した「シンカンセン スゴイカタイアイス」を手に入れるのも、メンドクサイことになっていたのだ。
スジャータ製「シンカンセン スゴイカタイアイス」は現在、東海道新幹線のぞみ停車駅に自販機が設置されている。車内販売終了に合わせて、各駅にはスゴイカタイアイスのほか、サーティーワンアイスクリームやセブンティーンアイスの自販機も順次登場している。
東京駅の「スゴイカタイアイス」自販機の設置場所は14・15番線ホームの2号車付近と、16・17番線ホームの6号車付近。久しぶりに旧友と再会したかのような懐かしさで、アイスを買いたくなる。
ところがこの自販機がクセモノで、「電子マネー専用」(クレジットも対応可能)なのだ。あまりに不親切で、中国国内の電子マネーには対応していても、それ以外の国から来た人はアイス1個を買うにも、日本の電子マネーアプリを入れるか、クレカ決済をしなければならない。高齢者も電子マネーやクレカを持っていなければ、孫にせがまれてもアイスを買ってあげることができない時代になった。
ついでに言うと、ホットコーヒーなどの車内販売が残っている東海道新幹線グリーン車も「QRコードを読み取ってオーダーする」システムなので、ガラケーやQRコード対応していない古いスマホでは注文できない。便利なようでいながら、何が嫌かというと、旅先や出張先、帰省先で常にスマホバッテリーの残量を気にしなければならないことだ。
JR各社の顧客ファーストとは思えない「殿様合理化商法」はどうにかならないものか。年末年始、全席指定ののぞみに乗るなら乗り換え時間はもちろん、スマホバッテリーや電子マネー残高にも、余裕を持ってほしい。
(那須優子)