1月12日、アジアカップカタール大会が開幕する。
海外のブックメーカーの予想では優勝候補の筆頭は日本。過去の大会でも優勝候補に名前が挙がったことは何度もあるが、今回ほど断トツの優勝候補というは初めてのことだ。
その理由は、欧州5大リーグ(プレミア、スペイン、イタリア、ドイツ、フランス)でプレーする代表選手が増え、そのほとんどが先発で出場していること。第2次森保ジャパンになってから、ウルグアイ、コロンビアには勝てなかったものの、その後は9連勝で、メンバーを入れ替えてもレベルが落ちない選手層の厚さはアジアの中では群を抜いている。
組み合わせを見ても、グループリーグ(ベトナム、イラク、インドネシア)を1位で突破するのは間違いない。順調に勝ち上がればベスト8まで勝ち上がれる。そこから先は、どこが勝ち上がってくるはわからない。つまり、日本にとって今回のアジアカップは、ベスト8からが本当の勝負と言ってもいい。
最大のライバルはもちろん韓国。日本ほどの選手層の厚さはないが、ソン・フンミン(トッテナム)、ファン・ヒチャン(ウルヴァー・ハンプトン)とプレミアリーグでそれぞれ12点、10点と2けたゴールを決めている選手がいる。最終ラインにもバイエルン・ミュンヘンでレギュラーを確保しているキム・ミンジェ、中盤にはパリ・サンジェルマンに所属しているイ・ガンインとチームの中心となる選手は揃っている。しかも、決定力という部分では日本よりも上ではないか。
そのほかでは開催国のカタール、W杯でアルゼンチンに勝ち2034年のW杯開催国に立候補したサウジアラビア。さらにセリエAのローマでプレーするサルダル・アズムン、ポルトでプレーしリーグ得点王の経験を持つメフディ・タレミ、フェイエノールトでプレーするアリレザ・ジャハンバクシュなど、経験と実績を兼ね備えた選手を揃えているイランなどの中東勢。さらにオーストラリアやウズベキスタンなどがライバルになる。
優勝候補筆頭である以上、対戦相手は引いて守ってくる。そういう相手に対して、どうやって崩して点を取るのか。そこが最大の見どころ。先制されて慌てれば1点勝負になる可能性もある。特に決勝トーナメントに入れば1発勝負で何が起こるかわからない。そういう中でどう勝ち上がって行くのか。
目標は優勝しかない。2024年の森保ジャパンを占うのに最高の大会といえる。
(渡辺達也)
1957年生まれ。カテゴリーを問わず幅広く取材を行い、過去6回のワールドカップを取材。そのほか、ワールドカップアジア予選、アジアカップなど数多くの大会を取材してきた。