次々とニューヒロインが誕生し、隆盛を誇る女子ゴルフ界。しかし、小林浩美会長(61)率いる日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の「銭ゲバ施策」に対して、スポンサーや選手からブーイングが起きている。
昨年12月19日、JLPGAから24年度のレギュラーツアーの日程が発表され、例年7月に開催されていた「楽天スーパーレディース」の終了が明らかになった。
スポーツ紙記者が話す。
「楽天がわずか3年でツアーから撤退しても、今季のツアー数は37試合で賞金総額44億円と、数字上はまったく陰りを感じさせません。ただ、楽天の撤退理由について、協会側は『コメントは差し控えたい』と歯切れが悪く、楽天に替わるスポンサーも決まらなかった。スポンサー離れを象徴する出来事です」
その背景には、女子ゴルフ界の「2025年問題」があった。
「これまでのツアー競技は一部を除いてスポンサー企業が主催し、協会が『公認』する形式を取ってきたが、21年になって、『25年からすべて協会の主催とする』という方針を通達。当然、主催権を持つスポンサー側の反発を招き、昨年12月中旬には都内で説明会を開催。結果、移管の目標が27年に延長されました」(前出・スポーツ紙記者)
21年に始まった前述の「楽天スーパーレディース」も、実はJLPGAの主催で、冠スポンサーの楽天グループは「特別協賛」という立場にすぎなかった。
「楽天は大会の入場チケットを売ることもできず、『楽天トラベル』で関連ツアー企画を販売することもできない。3億円とも言われる支出に見合わないという判断から撤退を決めた」(前出・スポーツ紙記者)
JLPGAが抱える火種は他にもある。
「昨年10月には、JLPGAの全会員(選手)に向けて『所属先の申請に際する同意事項』と題した文書を新たに通知し、混乱が生じていたのです」(前出・スポーツ紙記者)
例えば渋野日向子はサントリー、小祝さくらはニトリ、稲見萌寧は楽天といった具合に、それぞれ企業が所属先となっているが、
「所属先は単なるスポンサーではなく、選手にとっての看板です。公式の刊行物にも記され、試合のスタート時にも紹介されますからね。12月22日を施行日とするJLPGAの通知は、その所属先に『不可』を突きつけることを示唆したもので、風俗営業だけでなく、宗教性のある企業、競馬などの射幸心をあおる事業内容も抵触する恐れがあります。実際、23年シーズンで引退したイ・ボミの所属先はパチンコホールを運営していますし、宗教関連企業のサポートを受けている選手も少なからずいるため、混乱するのも仕方ない」(スポーツライター)
多くのメディアがこの問題に沈黙する中、月刊誌「ZAITEN」(24年2月号)で、この問題を取り上げたゴルフジャーナリストの宮崎紘一氏が不穏な行く末を暗示する。
「協会側に具体的な団体名を挙げて聞いても『回答を控えさせていただきます』と明言を避けていた。規制とも思える通達の意図についても曖昧だったので、日本プロゴルフ協会の関係者に話を聞くと、『所属契約はあくまで個人の問題で、組織としてできるのは注意を促すことや契約先のリサーチ程度だけです。選手は自分の主張や権利を伝えてほしい。選手は協会の私物ではありません』とのこと。『主催権』にしろ『所属先登録』にしろ、小林会長の舵取り次第では、解任騒動になってもおかしくない」
選手ファーストのJLPGAであってほしいものだ。