年始から短期免許を取得した5人の外国人騎手が騎乗している(ルーク・モーリス騎手のみ昨年末より騎乗)。2週を終えて好結果を出しているのは、4勝を挙げているオレリアン・ルメートル騎手と、3勝を挙げているレイチェル・キング騎手。
ここでは、英国出身でオーストラリアを拠点に活躍する女性騎手のレイチェル・キングについて見てみたい。
彼女は昨夏、札幌で行われた2023ワールドオールスタージョッキーズ第1戦でドーバーホークに騎乗。直線で大外から鮮やかに差して切ってみせた。その後は2着、8着、競走中止だったが、最終的には岩田望来に次いで第2位となる。
というわけで、日本の競馬が初めてというわけではない。また、契約馬主が(株)ダノックス、身元引受調教師が堀宣行氏(美浦)というビッグネームなのも心強い。初日の2鞍目に1番人気馬ミッキーラッキーで初勝利を挙げたが、馬主は(株)ダノックス会長・野田順弘氏の奥様・野田みづきさんで、調教師は堀宣行氏だった。
これ以降、2勝しているわけだが、注目すべきは人気薄の馬を2着、3着に持ってきていること。8日の新馬では10番人気のホウオウシェリーを2着に、11RのカーバンクルSでは15番人気のアビッグチアを3着に持ってきて、大穴を演出してみせた。さらに、13日のニューイヤーSでは9番人気のアナゴサンを3着に、最終レースでも7番人気のピンクセイラーを3着に持ってきた。加えて14日の最終レースでも、8番人気のホウキボシを3着に持ってきている。
何と、3着内率は44%(芝に限れば61.5%)。黙って彼女の複勝を買い続けていたならば、かなりの儲けになったことだろう。ちなみに、ピンクセイラ―以外はすべて3番手以内の騎乗内容だった。積極的な競馬が功を奏したと言える。
「キング騎手は、来日インタビューで『オーストラリアの調教師にはリズム良く流れに乗れる騎手と言われ、スタートの技術を褒められる』と語っているが、それを証明するような騎乗を見せている。付け加えるならば、追う技術も相当なものだ。向こうでGⅠを4勝しているのも当然だろう」(競馬関係者)
彼女は21日(日)のアメリカJCC(GⅡ、中山・芝2200㍍)で、上がり馬のチャックネイト(騙6)に騎乗する。キャリア14戦すべてで掲示板を確保、3着内率86%を誇る堅実派。全4勝を休み明けで挙げており、2カ月ぶりの出走となるここは勝負気配濃厚だ。キング騎手が日本で初重賞制覇なるか、注目!
(競馬ライター・兜志郎)