まさに壮絶な打ち合いの激闘だった。
プロボクシングWBA、WBC世界ライトフライ級タイトルマッチが1月23日、エディオンアリーナ大阪で行われ、統一王者の寺地拳四朗が、元WBA世界同級王者のカルロス・カニサレス(ベネズエラ)に2-0の判定で薄氷を踏む勝利。
2回に拳四朗が右ストレートでダウンを奪うも、3回にはカニサレスが右カウンターでダウンを奪い返すという白熱の展開に。早いラウンドでのKO決着も予想された中、試合は最終12ラウンドまでもつれ込み、ジャッジの1人が113-113のイーブン、残る2人が114-112という僅差での防衛だった。
「負けた自分が言うのもなんやけど、強い拳四朗じゃない拳四朗っていう印象だった。1ラウンド目に足がつっかえ棒みたいな、体の覇気があまりない感じやって、パンチも2発、被弾してた」
寺地の試合展開を自身のYouTubeチャンネル〈京口紘人Hiroto Kyoguchi〉で「らしくなかった」として、こう指摘したのは、元WBA世界ライトフライ級スーパー王者の京口紘人だ。全勝街道を歩み、WBA世界王者となった京口に唯一の黒星をつけ、そのベルトを奪ったのが寺地だった。
チャンスとみてパンチを打ち込む際に足が止まり、被弾することはあっても、距離を取ってのボクシングで被弾するシーンはあまり見ないのだと、京口は指摘。それでも寺地が勝てた理由として、
「心が折れへんかった、スタミナ切れへんかった、集中力の差かな。ちょっとでも集中力切れてたら、飲まれてたんじゃないかなって。ラスト2ラウンド取られて逆転されたんじゃないかな、っていうような内容だった」
調整のミスか、あるいは熱望する4団体統一戦が実現しなかったことでのモチベーション低下があったのか。京口が続ける。
「今回の不調の原因が減量苦だったのかどうかわからんけど、次戦、統一戦できんかったらベルト返上して階級上げるんじゃないかなって思う」
事実、寺地自身もフライ級転向の可能性を口にしている。
(所ひで/ユーチューブライター)