能登半島地震から約1カ月。災害ボランティアの受け入れが始まるなど、復旧と復興に向けて少しずつ前進している。
そんな中、千葉県の房総を走るいすみ鉄道が、地震の被害で運行を休止している「のと鉄道」の全線復旧を祈願して特別な列車を運行した。
1月27日に運行されたその列車は、国鉄キハ52系の車両が「能登路」のヘッドマークを掲出(写真)。車内に募金箱を設置し、募金は全額のと鉄道に寄付される。能登路とはどんな列車だったのか、鉄道ライターはこう解説する。
「『能登路』は金沢から七尾線の輪島、能登線の蛸島駅の間を走っていた急行列車です。1959年に運行を開始し、2002年に廃止されました。国鉄キハ20系で運行され、いすみ鉄道はキハ20系の『キハ28 2346』を所有しているということもあって、以前にも能登路号をイメージした列車を運行したことがあります。残念ながらキハ28 2346は老朽化のため引退したので、キハ52にヘッドマークをつけて走りました」
能登半島から遠く離れた地から応援のエールを送ったいすみ鉄道だが、昨年9月の台風13号によっていすみ鉄道自体も大きな被害を受けた。全線にわたって運休し、運転を再開したのは12月25日。復旧してからわずか1カ月ほどで、のと鉄道のために特別な列車を運行したのである。
のと鉄道の復興を祈願して能登路のヘッドマークを掲出する列車は2月3日にも運行される。ぜひ乗りに行って募金をしたいものだ。
(海野久泰)