水原氏といえば、大谷と知り合ったのは、12年に日本ハムの外国人選手の通訳を担当し、チームスタッフとして行動を共にするようになったのが始まりだという。18年に大谷の専属通訳として渡米以来、6年間にわたって公私共に二人三脚で歩んできたが、そんな水原氏には知られざる「賭博黙示録」があった。日本ハム球団関係者が明かす。
「もともと通訳になる前に目指していたのはカジノのディーラー。カリフォルニア大学を卒業しているのに、現地のディーラースクールにも通っていたと聞きました。だからなのか、日本ハムの球団職員時代には、パチスロやボートレースに熱を入れていた。当時を知る人間からすれば、今回の違法賭博の発覚も、規模の違いこそあれ、意外ではなかったはずです。球団OBによれば、はなから『ロクでもない奴だった』と切り捨てる選手もいたという」
20日の開幕戦後にはロッカールームで「自分はギャンブル依存症です」とチームメイトらに告白。ギャンブルの損失をギャンブルで埋めようとして、借金が雪だるま式に膨れ上がったことが報じられている。
公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」の田中紀子代表が悩ましい症状について解説する。
「負けた金額をギャンブルで取り返そうとする行動はインフルエンザに感染した人に高熱が出るのと同様、必ず現れる症状です。理屈ではギャンブルで取り返すのが難しいのは理解していても『ギャンブルしかない』という強迫観念に支配されてしまいます。ましてや『スポーツ賭博』はギャンブルの射幸心にスポーツで得られる興奮が加わるだけに、脳内に多幸感があふれてしまうものなんです。1日も早く治療プログラムにつなげるべきだと思います」
ここまで重篤な症状であったならば、公私共に密接なパートナーだった大谷も、さすがに「知らぬ存ぜぬ」は通用しないのではなかろうか。
「世間知らずなことを露呈してしまいました。日本ハム時代から〝箱入り息子〟として、過保護に育てられた副作用でしょう。大谷はイッペイを思いやるあまりに金銭的援助を買って出たのでしょうが、それが犯罪のほう助になるという認識は欠けていた。しかも騒動が明るみになった後も、真美子夫人とその両親をスタンドに招待する体たらくでした。空港で監督に卵を投げつけるような事態となった国での開催ですから、なおさらでしょう。万が一に備えて宿舎から出ないのが賢明な判断だったと思います」(日本ハム関係者)
奈落に突き落とされかねない相棒の賭博スキャンダル。ピンチの時にこそ発揮される、大谷の類まれなる才能に期待したいが‥‥。