独裁者に「影武者」あり――。この手の風説は「21世紀の独裁者」と言われる、ロシアのプーチン大統領にも根強く囁かれてきた。
例えば元KGB(旧ソ連国家保安委員会)職員のセルゲイ・ジルノフ氏や、ウクライナ国防省のキリーロ・ブダノフ情報総局長らは「偽プーチン」の存在について、次のように断言している。
「独裁者プーチンが身の安全のために、複数の影武者を多用していることは明らかだ」
そんな中、プーチンは5月16日、中国の首都・北京に出向き、習近平国家主席と会談した。ウクライナ侵攻を仕掛けたプーチンには目下、戦争犯罪人としてICC(国際刑事裁判所)から逮捕状が出されている。中国はICCに加盟していないため、逮捕の義務はない。その点を慎重に見越した上での、昨年10月に続く2度目の訪中だった。
西側諸国を嘲笑うかのような、2人の独裁者による首脳会談。ところが、である。「この時、北京を訪れたプーチンは『ニセモノ』だった」との疑惑が浮上しているのだ。
というのも、前出のジルノフ氏やブダノフ情報総局長をはじめ、西側の諜報筋がこれまでに把握、確認してきた影武者像のうち、「ホンモノとの最大の違い」とされる特徴が、北京に姿を現したプーチンと見事に一致していたからである。
最大の注目点は、頬に施された明瞭な「整形の痕跡」だった。西側諜報筋によれば、プーチンには2~3人の影武者が存在し、いずれも整形手術を受けているという。中でもホンモノとの違いが顕著なのは、頬の整形手術を受けている影武者。習近平と会談した「偽プーチン」は、整形充填剤で頬が膨れ上がった「タヌキ顔」をしていた。
それだけではない。西側諜報筋によるこれまでの別の分析結果を重ね合わせると、この時の影武者はタヌキ顔だったばかりでなく、頭の形も耳の形も鼻のカーブも、ホンモノとは微妙に違うことが見て取れるのだ。
パンダ顔の習近平とタヌキ顔の「偽プーチン」。まさに噴飯モノの舞台裏なのである。
(石森巌)