6月2日に東京競馬場で行われるGI・安田記念(芝1600メートル)。競馬歴50年以上の筆者にとって、これほど簡単な安田記念は記憶にない。事実、出馬表と馬柱をチラッと見ただけで、「鉄板馬券」が明白に浮かび上がってきたのだ。
最大のポイントは、香港調教馬の参戦にある。香港調教馬が日本で開催されるGIレースに参戦してきた場合、それまでの戦績の如何を問わず、3着以内の馬券圏内に飛び込んでくる確率は極めて高い。要するに、陣営の勝負度合いが非常に高いのだ。
今年はその香港からロマンチックウォリアー(騙6)とヴォイッジバブル(騙6)の2頭が、殴り込みをかけてきた。香港調教馬に多い「騙馬」という点も含めて、「賞金稼ぎ」の匂いがプンプンしてくる。
ただし、この2頭でアッサリと決まるほど、競馬は単純ではない。「ミエミエの鉄板馬券」をガッチリと手中に収めるためにはやはり、「もうひと手間」が必要で、実力やコース適性も含めて、勝負度合いの最も高い日本調教馬を見つけ出すことがキモになるのだ。
その上で今回の出馬表を俯瞰すると、日本調教馬で実力が一枚も二枚も抜けているのは、セリフォス(牡5)とソウルラッシュ(牡6)の2頭であることがすぐにわかる。
ただし、ソウルラッシュは昨年の安田記念で9着、一昨年の安田記念も13着と、惨敗を喫している。一昨年のGⅡ・富士ステークス(東京・芝1600メートル)こそセリフォスの2着と好走してはいるものの、ここ2年続いたGⅡ・読売マイラーズカップから安田記念へのローテーションは、同馬にとってまさに「鬼門」なのだ。
一方のセリフォスは昨年の安田記念2着、一昨年は4着という戦績に加えて、一昨年のGI・マイルチャンピオンシップ(阪神・芝1600メートル)の優勝馬でもある。どこから眺めても、今年の安田記念で連を外すことは考えられないのだ。
ミエミエの鉄板馬券は、そのセリフォスから香港調教馬2頭(ロマンチックウォリアーとヴォイッジバブル)への馬連とワイド。わずか4点で最大、馬連1点とワイド2点の的中が見込めるのだから、これはもう狙い撃たない手はないだろう。
ゲートが開く6月2日15時40分が、今から楽しみだ。
(日高次郎/競馬アナリスト)