粉をかけるだけで、数秒で薄毛を隠せる増毛パウダー。「ハゲ隠し粉」「薄毛隠しファンデーション」などと呼ばれ、男女を問わず、芸能界でも多用されている。
とろサーモンの久保田かずのぶは、増毛パウダーを後頭部に使っていたことがある。漫才中にツッコミの村田秀亮が頭を叩くと黒い粉が宙に舞い、漫才を終えると手が真っ黒になっていた、というエピソードがある。そんな久保田だが、隠してばかりではない。南海キャンディーズの山里亮太が、嬉しそうに語る。
「挨拶してね、頭下げるじゃないですか。そうしたら、ちょうど頭頂部が地肌が見えるくらいで。40歳近いですから、そういう年ですよ。それで『お前、ハゲてるな』と言ったら『メルカリに出してもうてん』っていう。俺がいちばん好きな、久保田のツカミなんです」
我が家の坪倉由幸も愛用者だった。本人が明かす。
「テレビに出始めの頃、僕、ちょっと髪の毛が薄くなってきていたんですけど。出るにあたって、黒い粉をメイクさんにかけてもらって、ハゲを隠していたんですよ。そしたら、それに対して(メンバーの)杉山(裕之)が『芸人なんだから、そんなの隠すなよ』と。確かにそれも正論だとは思ったんですけど。でも、その時は隠したくって…」
結局、坪倉がハゲをカミングアウトするまで2年間、もうひとりの相方・矢田部俊に振りかけてもらっていた。ちなみに増毛パウダーは、矢田部がヘアメイクから買い取ったものだった。
(坂下ブーラン)
1969年生まれのテレビディレクター。東京都出身。専門学校卒業後、長寿バラエティー番組のADを経て、高視聴率ドキュメントバラエティーの演出を担当。そのほか深夜番組、BS番組の企画制作などなど。現在、某アイドルグループのYouTube動画を制作、視聴回数の爆発を目指して奮闘中。